2021 Fiscal Year Research-status Report
Systematization of Life-Focused Literacy for Predicting the Difficulties with Parents in Struggle with Their Children's Cancer
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20K19163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
入江 亘 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60757649)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンメットニーズ / 情報 / 療養生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は小児がんによる入院加療を経験した,あるいは入院加療中の子どもをもつ親を対象に,診断初期に必要と感じた情報と,その情報が得られなかった(アンメットな情報)かどうかについて,単施設でのパイロット調査を行った。 アンメット率(ニーズありのうち情報を得られなかった割合)が高かったのは,病気・治療面では「妊娠や二次がん等治療後の影響について」,「同じ病気の人がどのような治療をしているか」,「成長・発達への影響の可能性」,療養生活面では「同じ病気の人がどのように生活をやりくりしているのか」,「宿泊施設の情報」,「病院周辺のスーパーや生活用品店の情報」,「入院中の一日の流れ、活動制限について」,社会経済面では「子どもの看護による母親や父親ほかの家族の仕事の調整」,「入院に伴う費用」であった。 また,診断早期における親の情報源については,「病気のこと」は医療者,インターネット双方から,「治療のこと」,「子どもへの病気や治療の伝え方」はインターネットよりも医療者から,「他の家族の体験・アドバイス」や「費用や仕事に関すること」は医療者よりもインターネットから情報を得ていた。加えて,「きょうだいへの影響」は医療者・インターネットともに情報源となっていなかった。インターネットでは,60%以上の回答者が情報を信用できないと思うことがよくあった,あるいは少しあったと回答した。情報理解の難しさや情報入手の大変さは,医療者もインターネットでも大きな差はなかった。治療開始時期の保護者は,優先して治療を進めたいと考えている一方で,”治療に関するより幅広い情報”や”これからの生活がイメージできるような情報”を求めていることがわかった。 また,診断早期のみでなく退院においても顕在化する保護者の心配の一つの学校生活への具体的な情報提供を検討するため,経験者および原籍校の級友へのインタビュー調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に予定していた情報のアンメットニーズに関する調査は小規模に実施できたが,より大規模な調査の実施や,その後に予定していた医療者および家族へのインタビュー調査は,単施設調査の結果をふまえたデザインの再検討に時間を要したことや,新型コロナウイルスの度重なる感染増から調査実施体制の調整が停滞し,実現に至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
①子どものがん罹患によって家族にどのような「生活の変化」や「生活上のマネジメント」が生じているか,その際の障壁と情報の入手方法,対処方法,対処における工夫点を把握するための医療者と家族へのインタビュー調査の実施 ②子どもの療養中における家族がほしいと感じる情報の集約サイトの構築
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Causes of Carryover |
本年度中に家族向けの生活焦点型リテラシー向上を目指した資料(パンフレット・Webページ)作成をめざし,その費用を見込んでいたが,前段階調査結果の解析および資料の構想の検討に時間がかかり,本年度中の執行とならなかったため。本年度中に行えなかったこれらの内容について次年度に実施予定である。
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Research Products
(2 results)