2021 Fiscal Year Research-status Report
妊娠期におけるビタミンD欠乏症とレストレスレッグス症候群との関連
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20K19174
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 あすか 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (10854573)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊婦 / ビタミンD / レストレスレッグス症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome:以下RLS)は、睡眠障害をはじめ健康の質に大きく影響を及ぼす疾患であり、女性に多く、特に妊娠期に顕在化する。妊娠期にRLSが顕在化する要因の一つとして妊娠中のビタミンDの状態とRLSの有病率との関連を調べることを目的に本研究を計画した。 本研究は、妊婦健診にて産婦人科に通院中の妊娠36週ごろの妊婦を対象として、基本属性(現病歴、既往歴、家族歴、喫煙歴、パートナーの有無など)、RLSスクリーニング、睡眠の状態についての項目を含む自己式質問票を用いた質問票調査と血液生化学検査(25OHビタミンD1,25-(OH)2ビタミンD、葉酸、フェリチン、鉄、カルシウム、リン、アルブミン、クレアチニン、eGFRなど)及び、分娩終了後に、妊娠・分娩について診療録からのデータ収集を行なった。 2020年10月から2021年9月までに、研究参加の同意を得られた合計205名の妊婦よりデータの収集を行い、データの入力とその解析を行なった。その結果、本研究対象者におけるRLSの罹患率は、35人(17.1%)であった。また、主にビタミンDの状態を評価するための指標である25(OH)Dの血中濃度について、RLSで群と非RLS群の妊婦で比較したところ、RLS群の妊婦において、25(OH)D の血中濃度が優位に低い結果となった(P=0.0119)。今後は、さらに多変量ロジスティック回帰分析を用いた解析を進めるとともに、結果をまとめ、学会及び、論文として結果を公表することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2021年度までにデータ収集が終了し、現在データ解析と結果のまとめに取り組んでおり、順調に計画が進んでいるから。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月頃、本研究の成果をまとめた論文を投稿予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗は順調に進んでいるが、少額の未使用額が発生している。この理由は、新型コロナ感染症の蔓延により、学会参加および研究協力者との会議に伴う出張が中止となり、旅費などの執行がなくなったためであると考える。今年度の残額については次年度、論文作成及び投稿にかかる費用と学会発表する際の参加費及び旅費に充てることを計画している。
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