2020 Fiscal Year Research-status Report
産後3ヶ月の母親のストレッサーに対する認知的評価と対処行動、ストレス反応の関連
Project/Area Number |
20K19182
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡邉 梨央 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (20845549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ストレス過程 / 認知的評価 / 対処行動 / ストレス反応 / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3ヶ月児をもつ母親の認知的評価、対処行動、ストレス反応といったストレス過程において、ストレス反応へ影響する要因を明らかにすることを目的とした研究である。認知的評価、対処行動、ストレス反応がそれぞれ関連し合っていることは明らかとなっているが、二者間の関連を明らかにしたのみであるため、どのような変遷でストレス反応が出現する可能性があるのか、どの要因がよりストレス反応に影響しているのかまでは明らかとなっていない。本研究によって、ストレス反応が出現するまでの経緯や関連の強い要因を明らかにすることができ、ストレス反応の出現を軽減させるための看護援助を検討することができると考えられる。 今年度は、様々な年齢や職種などの対象者におけるストレス過程に関する文献検討を行った。その結果、大学生などを対象に調査を行った研究が多く、また3年以上前の研究も多かった。対処行動とストレス反応の関係性のほか、楽観性やレジリエンス、葛藤解決効力感、ストレッサー、ソーシャルサポートなど様々な要因がストレス反応に影響をおよぼしており、また、対処行動を媒介としてレジリエンスなどがストレス反応に影響をおよぼしていることを明らかにした研究もあった。これらの結果を踏まえて、本研究の調査における質問紙の質問項目を再検討することができた。さらに、本研究では各要因間の関連だけではなく、属性とストレス過程との関係性についても明らかにしていきたい。 今後は、本研究の研究目的達成に向けて、質問紙調査の内容のさらなる検討を進めていき、調査開始に向けて調整を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はA県B市が行う3か月児健診に来られた母親を対象に質問紙調査を実施する予定であった。しかし、文献検討に時間を要したことや、COVID-19の影響により当初予定していた調査場所での調査が困難な状況になったことによる調査方法の再考の必要性が生じたため、進捗はやや遅れている。現在は質問紙調査の内容のさらなる検討を行うと同時に、倫理審査委員会へ向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、調査依頼機関との再度の調整と、倫理審査委員会での承認を得た後に質問紙調査を実施し、データ収集と分析を行っていく予定である。引き続き現在も、調査実施予定の場所はCOVID-19の影響による対応に追われていると考えられる。また、研究協力者のCOVID-19による現在の社会的状況における心理的影響も考慮し、研究協力者の負担とならないよう配慮して、質問紙調査を実施していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
【理由】調査開始が次年度となり、質問紙作成費用などの使用がなかったため。また最新の知見を得るための学会参加などを予定していたが、COVID-19の影響により延期となった学会もあり、未使用額が生じた。 【使用計画】調査を開始していく予定のため、調査や分析に必要な物品、謝品などに使用していく。
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