2022 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー疾患児を持つ保護者の心的状態:その実態調査と支援ツールの開発
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20K19186
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
村上 純子 聖学院大学, 心理福祉学部, 教授 (40831491)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー疾患 / 家族 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー疾患は、長期にわたって生活面に大きな影響を与える病気である。特に患者が子どもの場合は、保護者の心的状態が患児のQOL、病態の安定化や難治化に影響すると考えられる。本研究では家族心理学の視点からアレルギーを持つ子どもの家族をとらえなおすことを目的としている。本研究により、保護者の不安やストレスの軽減、患児のQOLの維持、向上、アレルギー病態の難治化を防ぐ予防的支援の手立てを構築する。 今年度は神奈川県立こども医療センターにおいて行った質問紙調査の分析を行った。この調査は、保護者の心的状態が患児の病態に与える影響を明らかにし、患児のQOLと家族への影響、家族のニーズを聞き取るものである。質問紙は、アレルギー疾患が子どもとその保護者にどのような影響を及ぼしているのかを調査し、難治化を防ぎ、治療していくための手がかりを得るものである。 前年度に行った調査で回収できた約90人分のデータを入力し、心理学的統計法によるデータ解析を行った。特に子どもの年齢によってアレルギー疾患が家族に与える影響が違うのではないかという仮説をもとに、データ分析を行った。そこから得られた結果としては、患児が2歳以下である場合と2~7歳の子どもである場合とでは、親のQOLのどこに負担感があるかが違うということであった。そこには子どもの発達段階が関係しているのではないかと考察した。この結果の第一報を日本小児アレルギー学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大のために質問紙調査に遅れがあったが、今年度は得られたデータの解析であったため、比較的問題なく進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第一報として口頭報告を行ったものを論文としてまとめ、投稿する予定である。 またこの結果から臨床の現場に役立てるような提言が可能であるか検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初はいくつかの学会に参加し、発表などを行う予定であったが、オンラインでの参加となった学会もあり、予定していたよりも旅費などが不要であった。 今年度は論文執筆のための英語校正や論文掲載費用、学会への積極的な参加をしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)