2020 Fiscal Year Research-status Report
コーエン症候群患者のPreventive Healthcare Modelの開発
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20K19192
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
倉石 佳織 清泉女学院大学, 看護学部, 助手 (50865409)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コーエン症候群 / 遺伝看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績①コーエン症候群の特徴を踏まえたヘルスケアモデル構築のための文献レビュー(日本遺伝看護学会誌19巻2号掲載予定)の完成。文献レビューでは、コーエン症候群の人の成長・発達の特徴に焦点をあて、小児期から成人期にいたる長期的な視点に立ったヘルスケアモデル構築への示唆を得ることを目的として、海外の文献を調査した。ヘルスケアモデル構築への示唆として、次の5つが得られた。成長・発達の特徴と早期支援、行動の特徴と本人にあった支援、早期からの眼科によるフォロー、好中球減少症と感染予防、遺伝性疾患としての特徴を考慮した支援、である。これら5点は、今後科研費での開発を目指す、コーエン症候群のPreventive Healthcare Modelの開発に役立つ。 研究実績②コーエン症候群の家族・サポーターのための「コーエンファミリートーク」のWEB定期開催。COVID-19の感染拡大により、これまで行ってきたコーエン症候群の家族とサポーターが集まる対面での家族交流会が困難になり、家族とサポーターのつながりが薄れることが危惧された。そこで、コーエン症候群の家族会(日本コーエン症候群協会)と連携し、Zoomを用いて定期的に家族とサポーターがつながることのできるファミリートークの機会を設けた。トークを通じ、希少疾患だからこそ家族やサポーターがつながりあう意義を確認した。これまでのトークでは、コーエン症候群のコミュニケーションツールや、地域で利用しているサービスについて家族間で情報交換を行った。これらのテーマは、コーエン症候群をより深く理解することに役立ち、科研費で目指すコーエン症候群のPreventive Healthcare Modelの開発の一助となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、COVID-19の世界的流行もあり、当初予定していた米国での調査は順延となった。一方で、WEBを用いて国内のコーエン症候群患者・家族とつながり、フィールド調査を行うことができた。対面での面接は困難ではあったが、WEBを活用して患者の様子を知り、家族から直接話を聴くことができた点については、「おおむね順調に進展している」と評価する。 また、文献レビューの完成により、今後コーエン症候群のヘルスケアモデル構築に向けた示唆を得ることができたことも、「おおむね順調に進展している」と評価する理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では、コーエン症候群患者への予防的な早期支援のを明らかにするために、米国コーエン症候群家族会主催の世界大会への参加およびDDC Clinic for Special Needs Childrenを訪問し、ヒアリング調査を行う計画がある。しかし、COVID-19 の世界的な流行により、渡米が困難となり現地でのヒアリング調査が難しいという課題がある。今後、WEBを用いたヒアリング調査も視野に入れて研究を行う方向である。
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Causes of Carryover |
1年目の計画では、米国でのヒアリング調査を予定していたが、COVID-19の流行により、渡米が順延となり、その分の経費が次年度使用として持ち越すことになった。本研究において米国での情報収集は重要であるため、COVID-19の流行状況を見ながら2年目または3年目に渡米の計画を予定している。
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