看護職協働による緊急入院高齢患者の入退院支援における家族支援ガイドラインの開発

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K19198
• Research Institution: Hiroshima Cosmopolitan University
• Principal Investigator: 神崎 匠世 広島都市学園大学, 健康科学部, 准教授(移行) (20457485)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 家族支援 / 入退院支援 / 看護職協働 / 高齢者 / 緊急入院

Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究目的は、緊急入院高齢患者の入退院支援における家族支援への外来看護師および病棟看護師が持つ役割認識と実践内容を明らかにすることである。本年度は研究開始初年度であるため、緊急入院高齢患者の入退院支援、家族支援への看護職の役割認識、看護職協働の現状や課題等について文献検討を行った。その結果、入退院支援への役割認識において看護職間に差があることや、入退院支援への認識の共有不足から生じる連携の困難さなどの課題が明らかとなった。また緊急入院の場合、家族は病状や治療、療養生活への見通しに関する不安を抱えていることが明らかとなった。これら文献を概観して、入退院支援を担うそれぞれの看護職の役割や協働に向けた方策や実践内容に関する報告が少ない現状が改めて明らかとなった。
文献検討から得た結果をもとに、高齢者看護の専門家から助言を受けながら検討を重ね調査項目の設定を行い、緊急入院高齢患者の入退院支援における家族支援の役割認識と実践内容を明確化するため、病棟看護師を対象に自記式質問紙調査を行った。協力の得られた施設の病棟看護師50名に質問紙を配布し、46名から回答を得た（回収率92.0%）。結果については、現在分析中である。また、入退院支援の経験豊富な病棟看護師1名を対象に、入退院支援における家族支援にどのような役割認識を持ち、実際にどのような協働を行っているか聞き取り調査を行い、その結果をもとにインタビューガイドの作成を進めている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画予定として、緊急入院高齢患者の入退院支援における家族支援への外来看護師および病棟看護師の役割認識と実践内容の明確化を図ることについて、調査協力の承認も得られ、病棟看護師対象の調査はおおむね計画通りに進められたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、外来看護師を対象とした調査が進められない状況であった。

Strategy for Future Research Activity

今後は新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、調査を再開しデータ収集を行う。また引き続き研究対象者のリクルートを行う。さらに今年度行った文献検討の結果や、調査の途中経過報告として学会発表および論文投稿を行う予定である。

Causes of Carryover

本年度は当初計画していた外来看護師を対象とした調査が進められなかった為、次年度は対象者のリクルートや調査を行う予定とし、調査に要する旅費、人件費および謝金、データ整理や分析に要する消耗品等の経費として使用したい。また本年度行った調査に関連した学会発表および論文投稿に要する経費として、次年度に繰り越すこととした。