2022 Fiscal Year Research-status Report
循環器疾患予測スコアを指標とした禁煙に伴う最大許容体重増加量の推定
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20K19205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
呉代 華容 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30708681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 禁煙 / 循環器疾患予防 / 体重増加 |
Outline of Annual Research Achievements |
喫煙は循環器病・がんなどの非感染性疾患による死亡を予防し得る最大の要因である。この喫煙への対策に加えて、わが国では2008年以降メタボリック症候群(MetS)対策が循環器病予防の柱となり、肥満予防・改善がスクリーニングや保健指導の中心概念とされている。ところが、一般的に禁煙開始後には体重増加をきたすため、同じ循環器病予防を目指すものでありながら、禁煙とMetS対策とが、体重という観点で相反する場合がある。本研究では、禁煙に伴う体重増加により、循環器疾患予測スコアが上昇に転ずる点(最大許容体重増加量)を、一般集団および基礎疾患別に算出することを目的とし、これにより、対象者の背景に応 じた、真に安全かつ効果的な禁煙支援の根拠を提供することを目指すものである。 令和4年度は、調査協力機関から禁煙者ならびに、禁煙者の性・年代にマッチングさせる形で無作為抽出した非喫煙者・喫煙者の計12800人のデータを得た。対象者は4年以上連続して健康診断を受けている者であり、1年目は喫煙していたが2年目以降禁煙している者を「禁煙者」、非喫煙を継続している者を「非喫煙者」、喫煙を継続している者を「喫煙者」とした。1年後の体重増加量(禁煙者においては喫煙から禁煙へと回答が変化した1年)は非喫煙者および喫煙者で約0.1Kg、禁煙者で1.4Kgと、禁煙者では1年後の体重増加量が多いことが示された。ただし、2年後以降体重増加は鈍化し安定していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、調査協力機関からのデータセット受領が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者背景を踏まえた体重推移の確認、禁煙開始後の体重増加による循環器疾患予測スコア変化を一般集団および基礎疾患別に算出していく。
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Causes of Carryover |
データ受領が遅れたことにより、当初予定していた学会発表や論文執筆に至らなかったため、次年度に執行する。
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