2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の視点に基づく意思把握のための指標開発と関連要因の検討
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20K19212
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
竹村 和誠 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (90779951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 日常生活 / 思い / 文献検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は認知症高齢者の視点から分析されている先行研究から認知症高齢者の視点を文献検討した内容を「認知症高齢者が日常生活において抱く思いに関する文献検討」という表題で第41回日本看護科学学会学術集会にて発表することができた。具体的な内容としては、認知症高齢者は【日々の生活への否定的な思い】や【自己の症状に伴う否定的な思い】を抱きながら日常生活を過ごしていることが考えられ、【安心できる生活の継続への思い】より、今までの生活のペースなどを保ちながら安心して日常生活を過ごしたいことが明らかになった。また、【自己を尊重した関わりへの思い】や【自己に残された力の保持への思い】から、偏見の目で見られるのではなく自己の強みを活かしながら日常生活を過ごしたい思いがあり【他者との関係形成への思い】より、他者と関わりながら日常生活を過ごしたい思いがあることが示唆された。 認知症高齢者が日常生活において抱く思いを明らかにすることは、認知症高齢者の視点に基づく意思把握のために意義があり重要であると考えられる。そして、研究目的1における認知症高齢者の視点から分析されている質的研究の研究結果より認知症高齢者の視点を明確化することはできたと考える。 また、認知症認定看護師や施設や一般病棟で勤務する看護職者が認知症高齢者の意思をどのような視点で把握しているのか文献検討で明らかにでき、COVID-19の影響で行えなかったインタビュー調査の代替えとして認知症高齢者の意思を看護職者がどのように把握しているかを明らかにすることができたと考える。しかし、研究目的2に関しては、当初予定していた2021年度のアンケート調査が実施できていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響があり、インタビュー調査は行えなかったが、2021年度は認知症認定看護師を含む看護職者が行う認知症高齢者の意思把握のための視点を文献検討で明らかにすることはできた。しかし、アンケート調査に必要な質問項目の作成およびプレテストが実施できておらず、アンケート調査が行えていない。そのため、進捗状況は遅れている。 2022年度は認知症高齢者の視点を把握することに関連すると思われる項目を抽出し、一般病棟の看護職者約1500名にアンケート調査を実施する予定である。その結果より質問項目を尺度化し、認知症高齢者の意思を把握することに関連する要因を明確化する予定である。しかし、分析に時間を要する可能性が高く2023年度までの延長も考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に予定していた認知症高齢者の視点を把握することに関連すると思われる項目を抽出し、一般病棟の看護職者約1500名にアンケート調査を実施する予定であり、その結果より質問項目を尺度化し、認知症高齢者の意思を把握することに関連する要因を明確化する予定である。しかし、分析に時間を要する可能性が高く2023年度までの延長も考えている。
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Causes of Carryover |
2021年度にアンケート調査を実施できなかったため、当初計画をしていた2021年度のアンケート調査に必要な費用およびテータ処理業務に必要な費用を使用できなかった。そのため、次年度使用額が生じた。2022年度はアンケート調査を実施し調査に必要な費用やデータ処理業務への使用を計画している。
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Research Products
(1 results)