2020 Fiscal Year Research-status Report
地域包括支援センターにおける保健師の地域づくりに関する専門能力評価尺度の開発
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20K19217
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
田中 裕子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (00788565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域包括支援センター / 保健師 / 地域づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域包括支援センター(以下、地域包括)の保健師の地域づくりに関する専門能力評価尺度を開発し、信頼性、妥当性、有効性を検証するものである。地域づくりを思考した働きかけは、保健師の実践そのものであるが、保健師の地域づくりは、社会的な状況や要請により変化し、自治体ごとに課題・活動・目標はさまざまであることが報告されている。当初の計画では、地域包括の管理者を含めた地域包括の保健師経験10年以上の実践能力の高い保健師及び市町村主管部門保健師を対象にインタビューを行い、地域包括の保健師の地域づくりに関する専門能力の構成概念を明確にする予定であったが、文献検討が不十分であることから計画を変更した。 初年度である2020年度は地域包括の保健師が行う地域づくりとは何かを文献により明らかにすることを目指し、保健師が行う地域づくりの定義及び活動内容に着目し、国内外の文献検討を進めた。その結果、保健師が働きかけを行う地域には、個人・家族レベル、地域レベル、社会レベルがあり、地域づくりにおいては、複数のレベルで機能する戦略が必要であることが確認された。また、地域づくりは、地域の健康課題を明確にし、PDCAサイクルを用いて、実践するプロセスであり、地域づくりによって、個人・集団・地域がエンパワメントされた結果、コミュニティの力が高まり、そこに住む人々の健康課題が解決され、QOLが向上することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年2月~7月まで産前産後休暇及び育児休暇取得により、研究活動を中断した。8月以降は、新型コロナウィルス感染拡大防止に配慮しながら、教育活動を行うことに時間を要したことにより、研究活動への時間配分が当初の計画よりも十分とれなかったことが影響し、計画よりも大幅に遅れるに至った。 また、地域包括支援センター保健師の地域づくりに関する専門能力を捉えるためには、地域包括の保健師の地域づくりが何かを明らかにする必要があり、再度、文献検討から着手しなければならないことに時間を要し、当初の計画どおりに研究活動を遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、文献検討によって明らかとなった内容を踏まえ、地域包括の保健師の地域づくりとの共通点、相違点を明らかにし、地域包括の保健師の地域づくりに関する専門能力の項目を整理する。また、地域包括の管理者を含めた地域包括の保健師経験10年以上の実践能力の高い保健師及び市町村主管部門保健師を対象にしたインタビュー調査を行うための研究計画の作成を行う。研究倫理審査承認後、研究協力者への調査依頼を行う。インタビュー調査後は、逐語録を作成し、Rodgers(2000)が提唱する概念分析の「先行要件」「特性」「帰結」の3つの視点を用いた質的記述的分析により、地域包括の保健師の地域づくりに関する専門能力の構成概念を明らかにする。
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Causes of Carryover |
2020年度はインタビューに用いるパソコン、ICレコーダー等を購入した。2021年度は研究を遂行するために必要なプリンター、トナーカートリッジ等の備品や記録媒体を購入する予定である。また、情報収集を目的とした学会参加等を予定している。
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