2021 Fiscal Year Research-status Report
「最期までその人らしく生きる」ことを支えるボランティア育成プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
20K19234
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Research Institution | Heisei College of Health Sciences |
Principal Investigator |
小林 美奈子 平成医療短期大学, 看護学科, 教授 (40312855)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看取り士 / 地域包括ケアシステム / 死生観 / 地域密着型サービス / ボランティア育成 / 在宅看取り / スピリチュアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は文献検討と看取りボランティアをしている個人および看取りケアの人材育成に関わる組織の代表者へヒヤリングをした。 まず、2016年~2021まで日本で公開された地域密着型サービスでの看取りの実態に関する研究論文17件を対象に文献検討では、看取りケアの経験が少なく、医療的ケアが提供できない福祉系職員には看取りが近づいた利用者へ対応するとき、死に対する恐怖と対峙しており、施設の看取りケアの指針整備からグリーフケアに関する心理・精神的サポートが求められていた。また、在宅・施設サービスの介護・看護・福祉系職員は看取りケアを実施することを問題視しているのではなく、死が近づいている利用者と家族へ寄り添うための専門的な関わりや経験が少ない中で看取りケアの在り方を模索し、満足した看取りに至ってないことで苦悩していることがわかった。介護と看護職が協力体制で看取りケアに関われるよう研修プログラムを揃えることが必要とされていた。これらは事業所の業務手順の範疇でカバーしきれないものもある。その一助として、地域包括ケアシステムを基盤とし、プラスの死生観を相談業務、在宅・施設の職員へ寄り添える互助のネットワーク含めた地域ベースの看取り支援体制の強化の必要性が示唆された。 次にヒヤリングでは、本人と家族への看取り支援をする見取り士やボランディア育成をしている組織代表者とオンライン面談で実施した。そこでは、看取り士が本人と家族、ケアマネージャー、医師らと協働し、ボランティアスタッフの協力のもと、依頼者へ24時間体制で寄り添う活動をしている。また、どの組織にも所属せず、生きがいとして地域で仲間と在宅での無償で看取りの支援をしている方の存在もわかった。看取りボランティアの導入やニーズの把握には、医師会、葬儀業者、地域包括支援ケアセンターと連携するなど様々なパターンがあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止対策により、全国的に年度開始からまん延防止等重点措置の影響から、所属研究機関においても県外移動・外出の自粛が続いていた。また、これまで地域で看取りボランティアを実施していた方や、ボランティア育成をしている組織も活動を中断している状況にあった。何度か自粛解除のタイミングを見て調整を試みたがアプローチをすることが年度内には叶わなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、看取りボランティアを先駆的に実施している方へ、活動形態や導入方法について実態調査をする。さらに、見取りに特化したボランティアに関わるに至るきかっかけや動機、さらに死生観やスピリチュアリティ等の内面的な価値観についても聞き取りを通していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止対策により、全国的に年度開始からまん延防止等重点措置の影響から、所属研究機関においても県外移動・外出の自粛が続いていた。地域の中で看取りボランティアを実施している方や、ボランティア育成をしている組織も活動を中断している状況で、アプローチすることが叶わなかった.そのため、交通費や謝金に関する使用できなく繰り越しとなる。
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Research Products
(1 results)