2020 Fiscal Year Research-status Report
避難指示解除区域に帰還した男性高齢者グループ主導によるコミュニティ再構築の実証
Project/Area Number |
20K19235
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 基矢 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (60765189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 男性高齢者 / コミュニティ再構築 / 自主組織化 / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
避難指示解除区域に帰還した男性高齢者を対象にして研究代表者が企画するサロンが、町民がつながる人間関係の復興の場、コミュニティ再構築に向けた議論の場として成熟し、リーダーシップが醸成され、自発的に住民を主導していくプロセスを検証することが目的である。 本研究は男性高齢者のコミュニティ参加を促すサロンのアウトカム評価を目指すものである。研究代表者が中心となって、男性高齢者の社会参加を促す目的で2018年から男性限定のサロンを実践してきたものを継続実施するものである。サロン実施にあたり、連携先の担当者と打ち合わせを行い、実施許可および協力体制を整え、年間計画を立てて、実施する。 今年度は当初の予定より少ないが、1回の開催ができた。COVID-19の影響に伴い、一堂に会すこれまでの実施体制の変更を余儀なくされたことや対象のリスク等を総合的に考えての実施となった。具体的には、参加者の6名は集まるが、遠方から参加する予定のスタッフの一部はオンラインで参加するスタイルで実施した。 ディスカッションの内容は、COVID-19の状況下での生活の変化を中心とし、新しい生活様式に向けての基盤ともいえる話題となった。 計画中に盛り込んでいる参加者自身が感じている問題発見と解決策の確認には至らなかったため、実践課題として今後の計画に反映していく。また、昨今の状況下で自発性を引き出すかかわりは時間を要すると考えられるが、そのような話題を提供しながら参加者の意見を引き出すことの意義を見いだせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で、計画当初の予定回数より少ない実施となった。新たな生活様式を取り入れつつ、対人交流を図っていくための手段の検討を進める必要があったため、進捗が遅れた。一堂に会するこれまでの方法から切り替えて、滞在時間を決めて窓口対応的な取り組みに変更するなども考えたが、町の資源や対象者のリスク等を考え、開催を見送ることもあった。
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目は、COVID-19による3密を避けた新たな生活様式が求められる状況のなかで、サロンの開催方法の検討である。町の担当者や関係者、参加者も巻き込みながら方法を考えていく。 2つ目は、研究目的である参加者の自発性を引き出して住民を参加者自らが主導してコミュニティ再構築を進めていくプロセスの検証についてである。福島第一原発事故よって発出された避難指示の解除後に居住している住民や町の資源を活用しながら引き続き参加者がコミュニティ再構築に向けて住民を主導していくための支援の在り方を実践を通して模索していく。
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Causes of Carryover |
次年度はサロンの開催毎に研究者やその都度協力者等の派遣のための旅費として使用予定である。また、感染予防対策にかかる物品の購入も必要であると考えている。
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