2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の服薬アドヒアランスを向上させる要因の検討―服薬管理の工夫に焦点を当てて-
Project/Area Number |
20K19236
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 晶子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30616397)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 服薬アドヒアランス / 服薬自己管理 / 工夫 / ピルカウント法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】地域在住高齢者の服薬アドヒアランスと服薬管理の工夫から服薬状況を探索した。 【方法】服薬自己管理を行う65歳以上の高齢者を対象とした。服薬アドヒアランスに関する質問紙調査と服薬管理の工夫に関する聞き取りと観察を行った。服薬アドヒアランスの評価には、客観的指標であるピルカウント法を用いた。所属機関で倫理審査を受け、研究を実施した。 【結果】対象者は男性19名、女性36名、年齢は平均〔SD〕79.3〔7.3〕歳、MMSE-Jは平均〔SD〕27.2〔2.6〕であった。服薬アドヒアランスは、ピルカウント法にて80%以上の者をアドヒアランス良群、80%未満の者をアドヒアランス不良群とし、対象者のうち19名(34.5%)は良群、36名(65.5%)は不良群に該当した。服薬管理の工夫は、全対象者が何らか行っていた。服薬管理の工夫の方法は、≪食事から服薬までを一連の流れで行う≫1項目で良群の該当率が70%を超え、≪服薬指示を記憶する≫≪1週間分程の薬を手元に置く≫≪食事をとる場所に薬を置く≫≪目につく場所や容器で薬を管理する≫4項目で不良群の該当率が70%を超えた。服薬管理の工夫は複雑で、個人の生活に合わせて調整された方法であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は対象者宅における訪問調査であったため、COVID-19の感染拡大により、データ収集を中断せざるを得なかった。結果、当初100名の対象者を予定していたが、55名に留まった。 対象者数が少ないことから、服薬アドヒアランス向上に有効と考えられる服薬管理の工夫を検証する際に、基本的な統計分析にとどまらざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染状況を鑑みながら、目標の対象者数を目指して調査を継続する。 新たな研究の切り口として、服薬管理の工夫において分類した方法をもとに質問紙調査を作成し、どのような服薬管理の工夫が服薬アドヒアランスに影響するか、検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により、訪問調査の回数が目標の100件から55件にとどまった。それによって、対象者への謝金や対象者宅までの交通費が予定よりもかからなかった。また、多くの学会がオンライン開催であったため、参加する際の交通費や宿泊費もかからなかった。 今年度はCOVID-19の感染状況を鑑みながら、昨年度実施できなかった調査の継続を予定しており、助成金を使用する予定である。
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