2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の服薬アドヒアランスを向上させる要因の検討―服薬管理の工夫に焦点を当てて-
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20K19236
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 晶子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30616397)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 服薬アドヒアランス / 服薬自己管理 / 工夫 / ピルカウント法 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2021年度新たに訪問調査を受け入れてくださった地域在住高齢者は1名のみであった。コロナウイルス感染症の収束が見えない為、当初目指した対象者100名からデータを収集し、量的データをもとに服薬アドヒアランスに影響を及ぼす服薬管理の工夫を見出すことは困難と判断した。 そこで、前年度までに収集できた55名の対象者の質的データの分析に注力し、質的データである服薬管理の工夫を服薬アドヒアランス良群、不良群別に詳細に比較することとした。 服薬管理は、先行研究をもとに【服薬指示理解と服薬の段取り】、【薬の保管】、【薬の飲み忘れ対策】の3つの領域に区分している。【服薬指示理解と服薬の段取り】は〈服薬指示を記憶する〉など13の工夫,【薬の保管】は〈1週間分程の薬を手元に置く〉など10の工夫,【薬の飲み忘れ対策】は〈食事から服薬までを一連の流れで行う〉など9の工夫がされていた.各工夫において、服薬アドヒアランス良群・不良群で比較した結果、共通した服薬管理の工夫、相違のある服薬管理の工夫を見出すことができた。この内容をもとに、服薬アドヒアランス向上に有効と思われる服薬管理の工夫に関する論文を作成し、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、今年度も対象者数を増やすことはできなかった。そのため、質的データの分析を中心に地域在住高齢者の服薬アドヒアランス向上に有効な服薬管理の工夫を見出すことを試みた。 質的データを服薬アドヒアランス良群、不良群別に細やかに比較することで、服薬アドヒアランス向上に有効と推測できる服薬管理の工夫を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
地域在住高齢者の服薬アドヒアランス向上に有効と推測できる服薬管理の工夫を見出すことができたので、得られた知見を広めることに努める。具体的には、論文投稿、学会発表、地域で活動する医療福祉職を対象とした講演会で講師を担うことが挙げられる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、訪問調査や学会参加のための旅費を利用する機会がほぼ無かった。2022年度は、状況に配慮しながらも、得られた知見を広めるために、積極的に学会等に参加する予定であるため、旅費が必要になる。
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