2020 Fiscal Year Research-status Report
多死を迎える能登の健やかな看取り環境創造のための住民参加型まちづくりモデル
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20K19239
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
板谷 智也 金沢大学, 保健学系, 助教 (10765192)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看取り / 在宅医療 / 在宅ケア / 訪問看護 / 多死社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の連携協定を結んでいる羽咋市において2019年に実施した住民調査の分析を進めた。その結果、羽咋市の住民では自宅で看取られることを希望しているものが大半を占めているが、一方で急変時の不安や家族の介護負担を理由に、自宅での看取りは難しいと考えるものが多いとわかった。また、自身が家族を看取る場合も同様に、自宅での看取りを希望しているものが多い一方で、現実的には難しいと考える場合が多いことが分かった。 2021年2月には、羽咋市で在宅ケアに関わっている在宅診療医や訪問看護師などの専門職が集う研修会を開催し(オンライン開催)、2019年住民調査の結果を報告・共有した。参加した専門職からは、看取りの質を上げるためのスキル向上やマンパワーの問題など、様々な課題について意見が上がった。 住民調査の分析と専門職との研究会を経て、今後の方針について羽咋市の担当者と協議した結果、当初の予定通り、専門職の方に個別にインタビューを実施することになった。インタビューの実施は6月ころを予定しており、現在、所属機関の倫理審査委員会に調査実施の倫理審査を申請している。倫理審査の認可がおりることを想定し、羽咋市では調査対象となる専門職の選定を開始している。 なお、羽咋市における過去の看取りについて、羽咋市が保有するデータの解析を進めている。その結果により、今後の羽咋市の看取りの状況(看取りの数や疾病等)が予測され、今後に看取りに必要な資源等を測るための資料となる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での資料収集などは基本的に実施できなかったが、オンラインでの会議等を活用し、連携先の羽咋市とは情報交換が十分に行えた。住民調査の分析も進めることができ、結果を羽咋市の専門職にフィードバックすることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
6月以降に羽咋市の専門職に対し個別インタビューを実施予定である。そのインタビュー結果をまとめた上で、全ての専門職に対してアンケート調査を実施する方法についても検討している。また、羽咋市での研究・調査がある程度進んだ段階で、それをモデルケースとして、他の石川県内の市町にアプローチを進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、多くの学術大会が中止もしくはオンライン開催となったため旅費の支出が予定よりも減少。その分、今後使用予定の映像機材等を購入したため物品費の支出が予定より増加したが、全体としては予定していたよりも予算の執行額より減少した。次年度使用額と令和3年度以降に請求する助成金については、質問紙調査の実施経費、専門職と住民を交えた交流会の開催費用、学術大会や論文等で成果を発表する際の旅費および投稿費用などの経費に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)