2021 Fiscal Year Research-status Report
多死を迎える能登の健やかな看取り環境創造のための住民参加型まちづくりモデル
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20K19239
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
板谷 智也 金沢大学, 保健学系, 助教 (10765192)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看取り / 地域包括ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究フィールドである羽咋市に置いて、看取りに関する実態調査を進めた。具体的には2021年9月に、市内の訪問看護ステーションを対象にしたインタビュー調査を実施した。調査データについては現在解析を進めている。現時点では、看取りを進めるために増員の必要な専門職は訪問看護や訪問介護よりも、むしろ在宅医療を担当する医師であることがわかってきた。一方で、羽咋市を含む能登地域では、在宅医療に参入する医師の数が少なく、これをどのように充実させるかが課題である。2019年に羽咋市で実施した住民調査について、住民の看取りに対する意識について分析した結果を、羽咋市内の訪問看護ステーションおよび訪問介護事業所職員に対し報告会を実施した。 また、羽咋市で実施した調査で明らかになった内容を踏まえ、看取りのケアに従事する介護職員向けの動画を作成した。看取りに関する市民の理解を深めるための動画作成を予定している。羽咋市地域包括ケア推進室の職員と連携し、動画作成のための台本を作成した。現在、配役まで概ね決定したが、新型コロナウイルスの感染が落ち着いたころに撮影を実施する予定である。なお、動画作成を実施したのちは、羽咋市公式の動画チャンネル(YouTube等)を開設し、市民や専門職等、誰でも動画を閲覧できる仕組みを構築することを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、動画等を用いて住民と専門職が知識を共有することで、健やかな看取り環境を創っていくことを目的としている。現在、県内では新型コロナウイルスの感染者が高止まりの状況にあり、動画の撮影を見合わせている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の羽咋市を含めた能登地域において、対応が必要な在宅看取りの件数について推測値を算出していく。その上で、インタビュー調査の分析を進め課題を明らかにし、その部分を埋めるような対策を検討していく。現時点では、看取りを担当する医師が不足しており、これを遠隔で対応することが可能か否かを検討している。 また介護職員においては、「看取られる人がどのような経緯をたどるのかわからず不安を感じる」ということがわかっている。この点について、看取りの経緯をイメージできる動画を作成し共有していく。 市民への啓発については、羽咋市の公式チャンネルを開設し、看取りに関する動画を配信できるよう検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、参加予定の学会が全てオンライン開催に変更となり、旅費を必要としなくなったため。
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Research Products
(2 results)