2020 Fiscal Year Research-status Report
配偶者と死別したアルツハイマー病高齢者の喪の過程への支援モデルの開発
Project/Area Number |
20K19244
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡邊 章子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任助教 (20804058)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 死別 / 看護 / 高齢者 / 支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度にあたる本年は文献検討を行い研究の実態把握を行った. 文献検討は国内文献が医学中央雑誌web版ver. 5とCiNii, 国外文献がCINAHL , MEDLINE, PsycINFOのデータベースを用いて2000年~2020年の国内外の文献を検索した.なおグレー文献に関しては国内外共にGoogle Scholarを使用した. キーワードは日本語が「認知症」「死別」「グリーフ」とした. 英語が‘dementia or Alzheimer or cognitive impairment’‘bereavement’‘grief’とした. 包含基準は, 認知症の死別に関する内容が書かれている, 学位論文を含む論文と書籍とした. 検索の結果, 国内文献は5件, 国外文献は18件が分析対象となった. 国内文献は事例研究2件, 学位論文1件, 症例報告が1件, 書籍(英国の翻訳本)が1件であった. 国外文献は原著論文15件(事例研究5件, 支援方法に関する研究5件, 症例報告3件, 総説1件, シンポジウム報告1件), 学位論文2件, 書籍1件であった. 国内では事例研究が中心であり質量ともに数が少ないことが明らかとなった. 一方, 国外では, 事例研究に加え, 認知症者へのグリーフケア(大切な方と死別した後のケア)のガイドライン作成, 書籍の出版など研究が発展していることが明らかとなった. 欧州では認知症ケアを緩和ケアガイドラインの一環として行っていた. また, ガイドラインの作成は緩和ケアや知的障害者に関する研究などの, 周辺領域における知見を参考にしていることも明らかとなった. 以上より, 日本における今後の課題は質的・量的研究の蓄積とガイドラインの作成と普及などであることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ対応により教育業務で時間がとられ,研究時間の確保が難しかった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は文献検討より得られた知見から「認知症者へのグリーフケア」に関する内容を抽出して概念分析を行う. Rogersの概念分析の方法を用いて, 概念の特性を明らかにするために「概念の例が起こった時, 何が起きたか」「その前には何が起きたか」「その後は何が起きたか」の問いの下, 概念の属性, 先行要件, 帰結に関する記述をカテゴリー化する. そして, それぞれのカテゴリーを構造化し概念図を作成する. その後, 文献検討の内容と概念分析の結果を基に, 質問紙調査票を作成し, 大切な方と死別した認知症者への支援の実態を明らかにする. 質問紙調査は全国の長期ケア施設に所属する専門職, ならびに自宅で認知症者の介護を行っている家族を対象とする. 調査結果を分析後, さらに専門職と家族を対象としたフォーカス・グループ・インタビュー調査(以下, インタビュー)を行い支援の具体について探っていく. 質問紙調査とインタビューにより得られた知見を基に大切な方と死別した認知症者への支援モデル案を作成する.
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Research Products
(1 results)