Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたる本年度は,文献検討の結果を基に質問紙調査を作成し,自記式質問紙調査(以下,調査)を全国の長期ケア施設に所属する専門職,ならびに自宅で認知症のある方の介護を行っている家族を対象として実施した.回収率と有効回答率は,専門職が13.8%と99.5%, 家族が11.6%と76.3%であった.研究協力が得られた専門職は,介護職・福祉職178名,看護職39名,家族30名,合計247名であった. 死別の告知に関しては,「全くそう思わない」「あまりそう思わない」「ややそう思う」「大変そう思う」の4件法で尋ねた.「悲しむので伝えない」「心身の状態により伝えない」「混乱するので伝えない」「職員間で相談し伝えない」の項目において,「そう思わない」(全くそう思わないとあまりそう思わない)が専門職において有意差(**p < 0.01)を認めた.一方,家族では,「記憶できないので伝えない」「混乱するので伝えない」「倫理的に問題はあるが伝えない」「悲しむので伝えない」の項目において,「そう思わない」(全くそう思わないとあまりそう思わない)が有意差(**p < 0.05)を認めた.専門職では,死別支援の経験の有無や認知症の種類,経験年数などによる有意差は認めなかった.「悲しむので伝えない」,「混乱するので伝えない」,「心身の状態により伝えない」の項目では,介護職が看護職よりも,告知しない傾向が見られた.また,全ての項目において,看護職が介護職よりも告知に肯定的な傾向が明らかとなった.専門職,家族ともに,死別告知に肯定的な傾向が見られたが,家族の方が専門職よりも, 告知に肯定的な傾向であることが明らかとなった.支援方法に関しては,支援マニュアルがある施設は数%のみであったが,専門職と家族からは支援マニュアルを求める傾向が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査は実施したが,倫理審査に時間がかかり,インタビュー調査が実施できていない.そのため,2022年度にインタビュー調査を実施する予定である.
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