2021 Fiscal Year Research-status Report
回復期リハビリテーション病院における認知症多職種退院支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20K19248
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
安田 真美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (50336715)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / リハビリテーション / 退院支援 / 多職種連携 / 在宅支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、回復期リハビリテーション病棟にてフォーカスグループインタビューを実施することが出来た。看護職、介護職、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、相談員の6名1グループを2Gインタビューすることが出来た。 インタビュー結果から、入院中の困難要因としては「不穏」「リハビリ拒否」が挙げられた。在宅退院を困難にする要因としては「排泄が自立できない」「ADLがUPしたことによる転倒のリスク」「食事を食事と認識できずに食事摂取が出来ない」が挙げられた。退院支援に向けた援助としては、退院後の生活を見据えた援助として、自宅での排泄状況(家族等の介護力含む)に寄せたリハビリテーション、援助を実施する。安全にADLをUPする。食形態の検討(検査を行いながら食形態をUPする)などが挙げられた。特に、介護職と、作業療法士は退院後の生活を十分把握し、退院後の生活に寄せたリハビリテーション、生活援助を行うと述べており、同様の視点で退院支援を行っていると考えられる。また、理学療法士は、リハビリテーションを進めることによって転倒の危険性が高まること、かえって自宅退院が困難になる可能性があることを危惧しており、リハビリテーションのゴールをどこにするのかという視点で退院支援を検討していると考えられる。看護職、相談員は患者本人のニーズ、家族のニーズ、各職種のニーズを把握し、その中から最適な援助を考えるという全体的な視点を持っていると推察された。 入院後2週間から4週間目に第1回目の全体カンファレンス、そこから約1か月半後に今後の方向性を検討するカンファレンスを実施し、全職種が共通理解を持って自宅退院に向けた援助を行っていた。 相談員はコロナ禍での退院支援の難しさ、家族との連絡調整の困難さも述べていた。 今後は、退院支援プログラム開発に向けて、どの時点でどのような支援が効果的なのかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行により、フォーカスグループインタビューの実施が1年4か月遅れてしまった。オンラインでの実施を依頼したが、多忙とオンラインではなく対面でインタビューが可能になってから実施したいとの希望があり、当初の予定より1年遅れて、2021年11月の実施となった。 その後、インタビュー内容を分析し、検討会を開催する予定であったが、やはり新型コロナウィルス感染症の流行拡大により、メールでの検討を実施しているが、退院支援内容の検討までは至らなかった。1回のみ看護職とのみ対面でデイスカッションを許可され、他職種の意見を集約してもらっているが、多忙のため意見集約まで進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、看護職、介護職、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、相談員に対するフォーカスグループインタビューを実施し、入院中の困難の要因、在宅退院を困難にする要因と支援の方向性、多職種連携の実際について整理してきた。 今後は整理した内容を再度多職種にて確認してもらい、回復期リハビリテーションに入院後どの時点でどのような支援が必要なのか、退院支援として必要な支援内容とともに、時期の検討も行う予定である。それらを統合し、回復期リハビリテーション病棟・病院における自宅退院支援プログラム案を完成させる予定である。 また、現在明らかになっている多職種連携の実際の他にも退院支援に必要な多職種連携についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、フォーカスグループインタビュー、インタビュー内容の検討が遅れている。そのため、当初2021年度に予定していた学会発表、特に国際学会発表ができなかった。今後はフォーカスグループインタビューの内容検討、自宅退院に向けた支援内容と支援時期の検討を行い、国際学会への発表、論文投稿を行う予定である。
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