2022 Fiscal Year Research-status Report
奈良県内の地域住民とその環境におけるピロリ菌の蔓延実態ならびに感染源の包括的解明
Project/Area Number |
20K19250
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
堀内 沙央里 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40794334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Helicobacter pylori / 感染源 / PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト(一般住民や患者)ならびに生活環境からピロリ菌の検出を試み、その蔓延実態と遺伝学的特徴を明らかにし、包括的な視点から感染源の解明を行うことを目的としている。一般住民および患者からのピロリ菌の検出については、COVID-19の影響で研究活動が制限されたことによりこれから実施が遅れている。 生活環境においては、我々が以前実施した調査(J Infect Public Health 14: 271-275, 2021)より、動物(主にイヌ)が感染源の1つとなる可能性が示唆されたことから、イヌと予想される動物の便検体3検体と環境水(沢、湖、川)3検体をそれぞれ500ml採取し、解析を行った。 環境水はろ過処理後、ろ過に使用したフィルター(0.45μm)をBrucella Brothにて洗浄し、Brucella Brothをヘリコバクター培地およびDHL寒天培地にて培養して菌株の分離を試みた。同時に、Brucella brothから直接DNAを抽出し、PCR法にてピロリ菌のハウスキーピング遺伝子であるglmM遺伝子と病原遺伝子であるcagA遺伝子を増幅した。結果、分離された菌株および抽出した細菌DNAのいずれからもピロリ菌およびピロリ菌が持つ遺伝子は検出されなかった。環境水からは、Pseudomonas属;Pseudomonas putida, P. aeruginosa等 やAeromonas hydrophila, Rahnella aquatilis等が検出された。 動物の便検体からはキットを使用して直接DNAを抽出後、PCR法にてHelicobacter 16S ribosomal RNA遺伝子、glmM遺伝子、およびcagA遺伝子を増幅したが、ピロリ菌が持つ遺伝子は増幅されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による影響で研究活動の制限が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、環境から採取した検体を中心に解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度は環境検体を中心に更に検体採取、解析を進めていく予定であるため、これらにかかる費用が必要となる。
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