2020 Fiscal Year Research-status Report
積雪寒冷地における季節性フレイルの実態解明と実践的なインヴィゴレーション法の検討
Project/Area Number |
20K19251
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
長谷川 純子 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (00644428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 季節性フレイル / 身体活動 / 積雪寒冷地 / リスクファクター / インヴィゴレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、積雪寒冷地域における地域在住高齢者の身体活動についての縦断的調査を基盤とし、季節の影響を考慮したフレイル発症のリスクファクターを見出すとともに、身体活動を効率的にインヴィゴレーション(賦活化)する方策について検討することを目的としている。方法としては、対象者(積雪寒冷地域にすむ施設入所していない高齢者で健康づくりに関心のある者)に歩数計を配布し、日々の歩数を記録してもらうとともに、半年ごとに基本チェックリスト(KCL)に回答してもらい、フレイル状態を経時的に判定する。また、年間を通しての歩数データを収集後から、健康づくりに役立つ情報を記載したニュースレターを発行して、その有用性について検証する予定である。 2020年度は、研究者のリクルートと歩数記録の開始を予定していた。老人クラブや転倒予防教室など高齢者が集う場に出向いて研究参加を呼び掛ける予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により高齢者の地域活動が制限されていたため、介護予防センターを通して一律郵送方式での参加呼びかけに切り替えた。2021年2月末頃までに参加者に歩数計を配布し、歩数計の使用方法や日々の歩数記録に慣れてもらう時期を設けて、2021年度より本格的に歩数記録を開始する予定となっている。 対象者に記録してもらう日々の歩数が本研究の主な調査データであり、研究の序盤である2020年度は研究対象者への歩数計配布と歩数記録の開始が最も重要な課題であった。コロナ禍で若干の計画変更を余儀なくされたが、当初予定のとおり歩数計の配布と歩数記録を開始しており、着実に研究を進めている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の全プロセスのうち、2020年度の最も重要な課題は参加者のリクルートと歩数計の配布、歩数データの記録開始までのサポートであった。参加者のリクルート方法については、当初高齢者が集う場(老人クラブや転倒予防教室など)に出向き、研究実施者が対面にて研究に関する説明を実施し希望者を募る方式を想定していたが、新型コロナウィルス感染症の影響により、高齢者の集いの場がほぼなくなった状況であったため、札幌市内の介護予防センターの協力を得て、介護予防センターと紐づく自主活動グループの参加者等に郵送にて研究案内を発送してもらい、研究参加希望者を募る方式に切り替えた。当初予定よりはリクルートの時期が半年程度遅くなったが、郵送方式にて研究参加者約350名を募り、歩数計の配布と歩数記録開始の初期サポートをほぼ終えることが出来ている。今後、歩数データを収集し、分析するステップに移行できる体制が整ったため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に参加してくださっている高齢者に継続的に歩数データを記録してもらうことが本研究の軸となる。対象者の途中離脱を最小限にとどめるために、歩数計の使い方等についてのサポートを継続するほか、(健康に関連する内容は控えた内容で)定期的に便りを出すなど、コロナ禍のなかでも対象者とのつながりを作りながら研究参加を継続できるような取り組みを続ける。途中離脱者が多い場合は、再度新規参加者の募集も検討する。
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Causes of Carryover |
研究参加者のリクルートが予定より遅れたことにより、参加者への郵送物回数が減少したことにより、次年度使用額が発生した。2021年度分の予算とあわせ、歩数計に使用する電池や紙類を含む文具、書類の郵送(送信、受信)、データ入力の作業費、研究成果発表のための学会参加費用に使用する予定である。
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