2023 Fiscal Year Annual Research Report
次世代交通システム(電動カートWA-MO)を利用した救命モデルの検証
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20K19257
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
高橋 純子 北陸大学, 医療保健学部, 教授 (60636596)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 一次救命 / 高齢過疎地域 / AED / コミュニティバス / 自治体 / コミュニティ / 高齢化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に輪島市消防署内で、AEDを用いた救命措置の訓練を受けた輪島市民15名に対し、2023年度は実際に「のらんけバス」2台にフクダ電子社製AED:ハートスタートHS1+eをそれぞれ1台ずつ搭載し、実装訓練を行った。本AEDは、通信ユニットでAED本体や付属品を監視するシステムであり、実際にAEDが使用された場合は無線で管理サーバーへ送信され、 登録された会社組織などのパソコンへメールで通知される仕組みである。今回は登録先を輪島市企画課及びバスを運行する北鉄奥能登バス(株)輪島営業所内、フクダ電子北陸販売営業担当者の3者に設定した。 訓練は、輪島市民及び関係者を含めて13名であり(バスの運転手1名含)、①バス内での傷病者の発生、②バス走行中に路上にいる傷病者を運転手が発見しバスを停車、③バスを走行中に路上にいる市民からバスの停車を求められ停車する3つの事例を想定し実施した。バスには4名の市民、研究代表者、輪島市福祉課担当者1名、フクダ電子北陸販売担当者1名、バスの運転手の8名が乗車した。他、2名はAED監視システムの稼働状況の確認、3名は傷病者役及び走行中のバスを呼び止める市民役として参加した。実装訓練終了後は参加者に対して質問紙調査の実施及び意見交換の場を設け、コミュニティバスにAEDを搭載することによる高齢過疎化地域での救命システムの有効性について検証した。 結果、参加者の平均年齢は50.2歳、男性11名、女性2名であった。バスの運転手を含め市民が役割を持ち前述の①-③の事例に対し無事に救命活動を実施できた。質問紙調査や意見交換では、「のらんけバス」にAEDが搭載され走行していることを多くの市民に周知する必要性や市民に対して幅広く訓練の機会を提供すること、このような訓練の場は地域のコミニュティを強固にし、誰もが助け合う街づくりとして効果があるなどの意見が交わされた。
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