2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症の問題行動緩和に向けた非薬物療法介入の効果検証:神経生理学的変化との関連
Project/Area Number |
20K19260
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
合田 明生 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (90823427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 問題行動 / 非薬物療法 / コミュニケーションロボット / 神経生理学的要因 / 認知症 / 地域在住高齢者 / 介護予防 / 地域包括支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,認知症高齢者の問題行動(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)に対してランダム化比較試験によって,非薬物療法によるBPSDの緩和効果およびその効果に関連する神経生理学的指標を明らかにする。この結果からBPSDに対する非薬物療法の科学的根拠を示し,地域在住の認知症高齢者に対する効果的なBPSD緩和プログラムの開発へと発展させることを目的としている。本研究では,コミュニケーションロボットを用いたロボット介在活動(Robot Assisted Activity:RAA)を,非薬物療法として用いている。令和3年度の研究成果について,国際誌(Gerontology and Geriatric Medicine)に「Psychological and Neurophysiological Effects of Robot Assisted Activity in Elderly People with Cognitive Decline」,国内誌(ヘルスプロモーション理学療法研究)に「Effects of robot-assisted activity using a communication robot in elderly individuals」の計2本が掲載された。また,日本生体医工学会にて「長期的なコミュニケーションロボット使用が認知症高齢者に及ぼす行動学的・神経生理学的な影響」,BME on Dementia研究会にて「コミュニケーションロボットの使用が高齢者の脳内神経活動に どの様な影響を及ぼすのか?」の2演題を発表し,それぞれ学会研究報告集に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大に伴い,協力施設への立ち入りが制限され,対象者のリクルートが進まなかったため,ベースライン測定や介入を実施できていない。しかし,協力施設との間で今後の対応について十分に協議し,新型コロナウィルス感染拡大が収まり次第,測定・介入が開始できるように準備を進めている。以上のことから「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,以下の様な計画で進める。対象者をリクルートし,初期のベースライン測定(神経生理学的指標,行動学的指標)を実施する。その後,対象者を介入群とコントロール群に分け,24週間の問題行動(BPSD)緩和に向けた非薬物療法(コミュニケーションロボット使用,3回/週,30分/回)を用いた介入を行う。介入後にベースライン測定と同様の項目(神経生理学的指標,行動学的指標)を測定する。各回の測定結果を介入前後および群間で比較することで,非薬物療法介入による認知症の問題行動の緩和効果を明らかにする。また神経生理学的指標と行動学的指標の変化の関連を検討することで,問題行動の緩和に関連する神経生理学的指標を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大に伴い,協力施設への立ち入りが制限され,対象者のリクルートが進まなかったため,ベースライン測定や介入を実施できていない。そのため,旅費や人件費,謝金が発生していない。令和3年度には,測定・介入を実施する予定であり,必要に応じて旅費,人件費,謝金,および必要物品購入費として使用していく予定である。
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Research Products
(6 results)