2023 Fiscal Year Research-status Report
Suport for self-management of psychiatric patients using ICT : Consider support methods and effectiveness
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20K19262
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
川崎 絵里香 京都先端科学大学, 健康医療学部, 助教 (40580543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | うつ病 / ポジティブ心理学的介入 / マインドフルネス / 3つの良いこと / ストレングス / 人間関係 / 抑うつ / 肯定的感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国のうつ病を含む気分障害は増加傾向にあり、再発率も高く、社会的損失も大きく、うつ病の治療・予防は、重要な健康課題であると言える。うつ病の心理社会的療法としてCBTが中心的に用いられるが、負の感情システムへ主に介入している。一方、うつ病患者のポジティブな感情の促進を主眼に置くべきであるとも言われている。そこで、ポジティブな感情に介入を行うポジティブ心理学的介入(PPI)の実施は、あまり見られない。PPIは、うつ病によって阻害される機能の強化を行うことで、うつ病患者への効果が期待できると言われる。しかし、うつ病患者に対するPPIは構造化されておらず、うつ病患者のみを対象としたPPIの研究もほとんど見つけられなかった。そこで、うつ病患者に、PPI-Nを実施することで、うつ病患者のwell-being、ポジティブ感情の向上、抑うつ感情の軽減を目的とするアプリで8週間の介入群と通常治療の対照群を無作為に振り分け、介入研究を実施する。 研究の進行状況は、健常成人へ介入の安全性、アプリの使用感を確認した後、看護系学生を対象として、介入研究を実施した。同時に、気分障害の患者が社会復帰前に通所を行うリワーク施設等に参加依頼を実施している最中である。実施に了承を得られたリワーク施設等には、研究者が直接、説明を行い、施設協力者によって、対象になり得る通所者に依頼し、アプリのダウンロードの援助を依頼している。その後は、ランダムに5つのグループに分けた参加者がそれぞれのプログラムの実施やアンケートを実施すると、その内容が研究者に通知されるようになっている。 現在10施設14人が参加中であるが、問題なく経過している。今後は、これまでに依頼を行なっていないリワーク施設等に依頼の範囲を広げ、参加人数を増やしていくことが課題であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入前にアプリの不具合が明らかになったことから、アプリの修正を行ったこと、リワーク施設に研究協力の依頼を行なっているが、協力施設が見つからないことが要因である。 現在は、協力依頼を大阪を中心とする関西圏に行なっていたが、アプリを使用した研究であり、研究に関する調整等はオンライン会議システムで可能なこと、アプリ参加時の説明は、研究者が作成した資料を用いて、協力施設が実施する、もしくはオンラインで対象者と研究者を繋ぐことで直接対面で実施する必要がないことが明らかになったため、対象を日本全国に拡げ、研究依頼を行い、対象者を増やす予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、日本全国のリワーク施設、もしくは就労支援施設に対象を拡げ、研究依頼を行い、対象者を増加し、研究を実施していく予定でわる。
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Causes of Carryover |
研究参加者の謝金として使用予定だったが、研究が若干遅れているため、介入が完了しておらず、謝金の支払いが行えていない。 そのため、現在、介入を開始している研究参加者への謝金として、次年度に使用していく予定である。
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