2021 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ病を予防するための保健師の教育プログラムの開発
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20K19272
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武井 勇介 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70723576)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 産後うつ病 / 保健師 / インストラクショナルデザイン / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産後うつ病を予防するための保健師の教育プログラムの開発とその効果を検証することを目的としている。 2021年度は、研究計画書等の作成および、山梨大学医学部倫理委員会へ申請を行い、承認が得られた。また、本研究では、教育プログラムが効果、効率、魅力的なものとなるように、教育プログラムの方法論的枠組みに、instructional designを採用している。そのため、教育プログラムを設計・開発するために必要な学習者である保健師のニーズを明らかにするために、全国1741市区町村の母子保健を担当する部署の保健師宛に質問紙郵送調査を行い、630件(回収率36.2%)の回答が得られた。得られた結果の中では、保健師の多くが、オンデマンドやオンライン研修など、ICTを用いた研修方法を希望していることや、母親の精神症状をアセスメントする視点、希死念慮・自殺念慮への対処方法、スクリーニング方法について学習したいというニーズが高いことが明らかとなった。さらに、教育プログラム開発に必要な情報収集を行うため、関連学会や研修会へ参加し、産後うつ病に関する保健師の支援状況や、教育設計方法について情報を収集した。 現在は、ガニエの9教授事象や、カークパトリックの4段階評価モデルに基づき、教材開発や教育プログラムの評価方法につい取り組んでいる。これらの、教育プログラム開発においては、教育分野に精通する研究者や産後うつ病の支援に関りのある保健師や研究者からの助言を受けながら進めている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は教育プログラムの開発に向けて、文献検討および、教育プログラム開発のためのニーズを把握するために、全国調査に取り組んできた。今年度は、eラーニングシステム構築や、教育プログラムのプレテストまで実施予定であったが、全国調査の結果の分析および、教育プログラムの教材開発に時間を要していた。また、COVID-19の影響から、研究に費やす時間の確保やプレテストの協力者が見つけることが困難な状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は全国調査およびこれまでの先行研究をもとに、教育プログラムの教材を開発し、保健師へ実施・評価を行う。また、eラーニングを用いて教育プログラムを展開するため、研究者自身がeラーニングに必要な知識とスキルを習得する必要がある。そのため、日本イーラーニングコンソシアム(eLC)が主催する、eLPベーシック研修に参加し、eLPベーシック資格を取得する予定である。なお、これまでの研究成果については、第25回日本地域看護学会および、第81回日本公衆衛生学会での発表予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度においては、教育プログラムの展開方法として、eラーニングを活用するため、コンテンツ作成、システム管理、特に、スマートフォン・タブレットでも対応できる企業に依頼予定であったが、教育プログラムの教材開発が遅れていたため、実施できない状況であった。そのため、2022年度は、eラーニングを展開できるよう、企業へ依頼していく。
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