2022 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師を対象とした難聴高齢者支援研修プログラムの構築とその効果
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20K19292
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
鍋島 純世 金城学院大学, 看護学部, 講師 (60634631)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / 難聴 / プログラム / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、訪問看護師の的確な難聴の把握および看護援助を促進するために「訪問看護師を対象とした難聴高齢者支援研修プログラム」の構築とその効果を明らかにすることを目的としている。 前年度に実施した「難聴高齢者支援研修プログラム」の効果検証のため介入前、介入後、3か月後に「知識」「技術」「行動」に関するアンケートを実施した。アンケート結果を集計し、「知識」「技術」は介入前後、「行動」は介入前と3か月後に効果を確認し、分析にはMcNemar検定を行った(p<0.05)。 結果、欠損値を含む19名を除外し、38名を分析対象とした。女性29名(76.3%)、平均年齢38.3±10.0、訪問看護師経験4.0±3.8年であった。「知識」は病態生理、補聴器、難聴スクリーニング、難聴高齢者への会話や情報提供について有意に向上し、「技術」はスクリーニングの手順において有意に向上しており、プログラム介入による知識・技術の習得がみられた。「行動」は、スクリーニングの実施、補聴器相談医への紹介、緊急情報システムの情報提供において有意に向上し、介入による行動変容が確認された。 この結果を受け、より効果的な「難聴高齢者支援研修プログラム」の内容を検討するために、訪問看護師による高齢者の難聴ケアの実態をより詳細に把握する必要があった。調査方法は、厚生労働省が出している全国47都道府県の訪問看護ステーション比率に合わせて、一般社団法人全国訪問看護事業協会に登録する訪問看護ステーション7404施設(2022年8月時点)の中から200施設を無作為抽出し、研究の承諾が得られた訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師に対してWebアンケートを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
より効果的な「難聴高齢者支援研修プログラム」の検討を目的とした訪問看護師による高齢者の難聴ケアの実態の調査について追加調査に至った。このことにより、当該年度は調査結果の分析および総括の計画であったが、現時点で分析中であり、総括に至ることができず、やや遅れている状況である。「難聴高齢者支援研修プログラム」の効果検証としての介入前後の分析は実施しており、訪問看護師に対する「難聴高齢者支援プログラム」の提供は難聴や補聴器に関する知識・技術の習得を促し、簡便なスクリーニングや難聴高齢者への情報提供の継続的な実施につながることが示唆されているが、追加調査についても分析を進め、「難聴高齢者支援研修プログラム」の最終的な構築に向けた研究を継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、訪問看護師による高齢者の難聴ケアの実態について分析を進め、最終的な「難聴高齢者支援研修プログラム」の構築に向けて研究を継続する。本研究調査の学会発表ならびに学会誌投稿を目指し、最終年度として総括していく。
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Causes of Carryover |
前年度からの繰り越し分が潤沢にあったことや、新型コロナウイルスに伴いオンラインによる学会発表となったことから旅費が発生しなかったこと、さらに研究の遅延により学術論文の投稿に係る支出が少なかったことが理由として挙がる。
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Research Products
(1 results)