2022 Fiscal Year Annual Research Report
通所介護の入浴場面における行動・心理症状ケア指針の作成
Project/Area Number |
20K19295
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Research Institution | Ichinomiya Kenshin College |
Principal Investigator |
佐久間 美里 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (00849713)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 認知症 / 入浴 / 行動・心理症状 / 通所介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,通所介護の入浴場面における認知症高齢者の行動・心理症状に対するケア指針を作成することである。 令和2年度は,通所介護における認知症高齢者の入浴ケア指針(案)の作成を目的として国内外の研究を対象に文献検討を実施した。認知症高齢者の入浴介助に関する研究を,医中誌web,CINAHL,およびPubMedを用いて検索した。分析の結果,入浴時のケアは【入浴前】の<準備><誘導>,【入浴中】の<脱衣介助><洗身・入浴介助>,【入浴後】の<着衣介助><入浴後の介助>に分類された。なお,今回の文献検討では研究実施場所等を限定せず,病院や入浴施設で実施された研究および事例検討も対象とした。そのため,文献検討で示されたケアが通所介護で実行可能か検討する必要があった。 令和3年度は,文献検討結果に基づき入浴ケア指針(案)を作成し,実行可能性および妥当性を検討した。作成した入浴ケア指針(案)の実行可能性を調査するため,通所介護748事業所の管理者,看護職員,介護職員を対象に質問紙調査を実施した。入浴ケア指針(案)の各項目の実行可能性を5件法で尋ねた結果,実行可能性の得点の中央値は2.00~5.00であった。また,入浴ケア指針(案)の妥当性を調査するため,看護師3名,介護士3名にインタビュー調査を実施した。妥当性は「顔見知り,親しい利用者を一緒に誘う」などの項目で5名以上が妥当であると判断した。 令和4年度は,質問紙調査およびインタビュー調査の結果の分析を進めた。入浴ケア指針(案)の各項目は通所介護で実施可能な一方,妥当性は「入浴の必要性を説明する」等の項目で改善が必要と判明した。通所介護における実行可能性をより高めるため,インタビュー調査の結果を再分析し,優先して実行すべきケアを明らかにして項目を精選した。以上を統合し,通所介護における認知症高齢者の入浴ケア指針を作成した。
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