2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能計測の指標を用いた運動恐怖の病態解明:客観的評価と治療法の開発を目指して
Project/Area Number |
20K19306
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 彬人 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (70849900)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 脳活動 / 精神機能 / 認知機能 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究成果については、研究会での講演1件(第3回痛みのニューロリハビリテーション研究会「身体知覚・認知の異常をもたらす脳メカニズム」)を通じて慢性疼痛患者のリハビリテーションの専門家と情報交換を行った。既存データを用いたデータ解析と 論文作成も行い、研究者個人で可能な研究活動の遂行に努めた。 研究期間全体を通じて実施した研究成果については、研究者個人での対応が困難を極める状況が生じたため、慢性疼痛患者を対象とした脳機能活動の計測実施には至らなかった。具体的には、2019年12月に武漢で初めて報告された新型コロナウイルス感染症の影響を受け、患者リクルートが困難な時期が続いた。加えて、脳機能計測機器である脳磁計が利用停止となった。当該事案について、所属研究施設が対応を進めたが、研究期間終了までに利用再開の通達は無かった。脳磁計の代替案として脳波計を用いた測定に向けて助言を仰いでいた研究者と意見を交わしたが、患者を対象とした計測には至らなかった。一方で、研究者個人で実施可能な研究活動に尽力し、慢性疼痛に関連する学術大会でのシンポジウム2件(第25回日本ペインリハビリテーション学会学術大会、第14回日本運動器疼痛学会)で専門家に対して、上肢の整形外科疾患を有する慢性疼痛患者を対象とした知覚・認知の臨床的異常と脳機能活動との関連性を中心に、慢性疼痛において身体・精神機能だけでなく認知機能も重要である知見を述べた。また、第一著者の英論文2編(Yoshida et al., NeuroRehabilitation 2020; Yoshida et al., Nagoya J Med Sci 2022)、共著者の英論文1編(Iwatsuki et al., IRBO Neuroscience Reports 2021)を公表した。
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