2021 Fiscal Year Research-status Report
オステオサルコペニアを有する高齢心不全の臨床的特徴と予後に関する検討
Project/Area Number |
20K19313
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
長岡 凌平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60860286)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オステオサルコペニア / 心不全 / サルコペニア / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高齢心不全患者を対象に,(1) オステオサルコペニアの発症や進行の関連因子を横断研究による網羅的解析によって探索すること,(2) オステオサルコペニアと予後との関係に影響する因子を,前向きコホート研究によって特定することを目的として行われている. 2021年度には、本研究の遂行に必要な患者情報を登録するデータベースの運用を開始した. また,心不全患者においてオステオサルコペニアの合併が予後に与える影響を検討するため,過去起点コホート研究を実施した.対象は当院へ入院中に DEXA 法による体組成分析と身体機能評価を行った心不全 267 例とした.サルコペニアの診断は AWGS 2019 の基準に準じ,骨粗鬆症の診断はWHOが提唱する基準値に準じて行った.また,サルコペニアと骨粗鬆症の基準を同時に満たした場合にオステオサルコペニアと診断した.その結果,114例(43%)がサルコペニア,87例(33%)が骨粗鬆症であり,52例(19%)が両者を併存していた.中央値 1.78 年 (四分位範囲 1.13-2.49 年) の追跡期間で 43 例 (16%) に複合イベント (全死亡または心不全再入院) が発生した.年齢,性別に加え,NT-proBNP または腎機能などの共変量でそれぞれ調整した Cox 比例ハザード分析の結果,オステオサルコペニアは複合イベント発生の独立した予測因子であった. 以上の結果を国内学会にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベータベースへの患者情報の登録は進んでいるが,初年度に COVID-19 により入院が制限されたことに伴い,登録患者数が予定していたよりも少なくなってしまったため.
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Strategy for Future Research Activity |
運用を開始したデータベースへの患者情報の登録を継続していく.また,今後はオステオサルコペニアの関連因子およびオステオサルコペニアと予後との関係をより詳細に検討するための解析を進めていく.
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Causes of Carryover |
COVID-19 の感染拡大により,参加予定であった国際学会および国内学会が Web 開催となったため.2022 年度は,新たに体組成評価に必要な機材を購入予定であるため,購入費用に研究費を使用する.また,研究成果を国内・国外の学会で発表するための旅費や論文投稿費用に充てる.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Barthel Index Score Predicts Mortality in Elderly Heart Failure ― A Goal of Comprehensive Cardiac Rehabilitation ―2021
Author(s)
Katano Satoshi,Yano Toshiyuki,Ohori Katsuhiko,Kouzu Hidemichi,Nagaoka Ryohei,Honma Suguru,Shimomura Kanako,Inoue Takuya,Takamura Yuhei,Ishigo Tomoyuki,Watanabe Ayako,Koyama Masayuki,Nagano Nobutaka,Fujito Takefumi,Nishikawa Ryo,Ohwada Wataru,Hashimoto Akiyoshi,Katayose Masaki,Ishiai Sumio,Miura Tetsuji
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 86
Pages: 70~78
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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