2020 Fiscal Year Research-status Report
遠位橈尺関節不安定症の定量的評価手法の開発とリハビリテーションへの臨床応用
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20K19314
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
唯根 弘 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20845911)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠位橈尺関節不安定性 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度(2020年度)においては遠位橈尺関節不安定症患者の不安定性を定量的に評価可能な手法を用いて集積したデータの分析を行った。遠位橈尺関節不安定性を有する三角線維軟骨複合体損傷患者の患側手・健側手の比較を行い、患側手の不安定性を示す指標が有意に大きい結果となった。また、健常者データとの比較分析によりカットオフ値を算出し、健側手に対する患側手の比率は患者群で有意に大きいことが示された。このことから、本評価手法を用いた定量化により遠位橈尺関節不安定性を示すことが可能であると考えられる。遠位橈尺関節不安定性を臨床で簡便に定量評価することにより、一定した見解が得られていない不安定性と各臨床症状との関連を検証することや、効果的なリハビリテーション手法の検討に繋がる可能性がある。また、1例の遠位橈尺関節不安定症患者において治療前後およびリハビリテーション実施経過に伴う不安定性の改善を評価した記録データを分析した。遠位橈尺関節不安定性の改善と共に、手関節の痛みや機能の改善が得られ日常生活上での困難さの自覚も軽減した。この効果を検証するため、健常者を対象に2回繰り返し測定時の結果から測定誤差をminimally detectable change: MDCとして算出した。MDCの値を参考値とすることで、1症例においても介入によって得られた不安定性の改善が測定のばらつきによって生じた「誤差」であるか、「誤差を上回る何らかの変化」であるかを鑑別することが可能となる。今回の1症例においてはMDCを上回る改善を示していたため、治療やリハビリテーションの介入が測定誤差を上回る一定の効果があったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度(2020年度)においては新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、当初予定をしていた更なる患者群のデータ集積やリハビリテーション経過の検証を十分に行うことができないと判断した。そのため、これまでの集積データ解析を中心に行い、成果発表に向けた検証を進めることを優先した。それに伴い、報告症例の成果分析のために追加検証の必要性が生じた健常者を対象とするminimally detectable change: MDCによる測定誤差の検証を実施した。学会発表および学術誌への掲載による成果報告のための準備は整っている状況となった。これらにより、研究計画の予定人数をやや下回るデータ集積となっているが、その報告要旨を検証するには最低限のデータ数での報告を進めることができていると考えられるため、本研究課題の進捗状況についてはおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2021年度)には既に集積したデータの分析結果について、学会発表および学術誌への掲載による成果報告を順次進めていく予定である。また、患者群へのリハビリテーション介入と効果検証を十分な症例に行うことが引き続き困難であることが予測される。その対応策として、引き続き遠位橈尺関節不安定症患者への評価・介入の新規実施を目標としつつ、健常者を対象とした遠位橈尺関節不安定症へのリハビリテーション介入の効果検証を進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
当該年度(2020年度)に予定していた学会発表の現地参加を新型コロナウイルス感染拡大のために見送ることとしたため旅費の支出がなく、成果報告のための費用にあてることとしたため次年度使用額が生じた。また、次年度(2021年度)は成果報告のための費用の他、リハビリテーション介入のための手関節装具等の購入等を予定している。次年度も新型コロナウイルス感染拡大のため旅費の支出が生じない可能性が高いため、当初予定していた使用計画を見直し分析・報告の質の向上に努めていく予定である。
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Research Products
(1 results)