2020 Fiscal Year Research-status Report
意識障害者への抗重力位の有用性を脳波で検討する研究
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20K19316
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中濱 潤美 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (80816744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 意識障害者 / 端坐位刺激 / 立位刺激 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は意識障害者における、端坐位、立位刺激が意識賦活に影響していることが経験的にわかっており、有用性を、脳波測定で定量的に検討することである。意識障害者に対する意識状態を改善するためのリハビリテーション治療という発想や実践例の研究はなく、本研究は学術的に独自性が高いと考える。すでに我々は、意識障害者に端坐位訓練をする際の脳波測定をした経験(図3)があり、脳波をパワースペクトラム解析したもので明らかに賦活されていた。したがって、例数を揃え、科学的検証に耐える条件の下で研究を行う必要がある。そこで、端坐位・立位・歩行刺激の即時的な意識賦活効果を、脳波を用いて定量的に測定することで、どの体位が意識賦活に有効かを検討する事が出来る。本研究で、立位・歩行刺激の即時的な意識賦活効果が端坐位よりも高い事が認められれば、立位・歩行刺激の継続による治療効果を検討する事が可能となる。選択基準はGlasgow Coma Scale(GCS)で減点項目があるものとし、除外基準は①全身状態から医学的に離床のリスクが高いと判断した場合(循環動態、呼吸状態、運動器の不安定性がある場合)②1回の脳波測定の解析に必要な量(約30秒以上)の測定ができなかった場合(離床後に循環動態、呼吸状態が不良となった場合)とする。意識障害者が入院後に全身状態が安定した段階で、端坐位、立位、歩行刺激を行い、刺激前後と刺激中の臨床所見と脳波の測定を行う。これらの測定結果から、どの体位が意識賦活に有効かを検討する事が出来る。現在、臨床審査で承認された研究対象者数12人の測定を終了し、データを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被検者の家族への同意取得と、入院期間のタイミングからやや予定測定にまで時間を要した。しかし予定人数は終了しており、多方面からの脳波データの解析に時間を要している、
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Strategy for Future Research Activity |
多方面からの脳波データの解析を続ける。
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Causes of Carryover |
脳波解析するにあたり専属の電子機器を購入する必要がある。研究結果を報告するにあたり費用が必要となる。
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