2020 Fiscal Year Research-status Report
唾液miRNA測定による認知症発症抑制機序の解明：アストロサイトに着目した検討
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20K19318
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| Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
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Principal Investigator |
小林 英司 北海道文教大学, 人間科学部, 講師 (20781272)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | アルツハイマー病 / エクソソーム / マイクロRNA / 発症予防 / 心理機能 / 生活習慣 / 死後脳 / アストロサイト |
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| Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の認知機能維持に関与するマイクロRNAと生活習慣・心理状態を明らかにすることを目的に、90歳以上の献体予定者を対象として認知・心理機能・生活習慣・唾液中エクソソーム内のマイクロRNAの評価を行い、死後脳のアルツハイマー病理所見との関連を評価した。
なお、今年度は当初から新型コロナウイルス感染症の拡大のため、献体者の自宅への訪問回数は限定された。よって、今年度は7例のみの評価にとどまり、その収集データのうちマイクロRNAの解析以外の評価を進めた。
まず、札幌医科大学白菊会の献体者データベースを利用し、90歳以上の対象者のうち、訪問調査が可能な161例を対象者として取り込み、研究内容の説明と協力への同意を得るための電話連絡を行った。次に、同意が得られた対象者の自宅を訪問して、認知機能検査（MMSE,CDR）、心理機能の評価（GDS、PCGモラールスケール、SOC-13)、生活習慣の評価（身体活動量・内容）、マイクロRNAs計測のための唾液採取を実施した。
結果、今年度中に評価が可能であった7例の認知機能では、MMSE≧23点が6例（CDR＝0：2名、CDR=0.5：3名、CDR=1：1名）、MMSE≦22点が1名（CDR=2：1名）であった。本研究の手法を用いて、一定数の認知機能が保たれている90歳以上の高齢者を評価対象とすることが可能な見通しがついた。
なお、今年度中に献体予定者のうち１名（98歳、男性、MMSE=23点、CDR=1)が死亡したため、死後脳の病理診断を実施した。結果、脳重量は正常範囲（1416g）で、脳内に異常タンパク（アミロイドベータとタウ蛋白）が蓄積し、反応性アストロサイトの増加が見られ、アルツハイマー病理陽性の脳所見を呈していた。よって、この例はアルツハイマー病理診断と生前の認知機能が乖離した例であることが確認できた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、高齢者の自宅への訪問調査の回数が制限されたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
訪問調査による認知機能検査で7例中6例で認知機能が保たれているものを対象とすることができ、本研究の手法により、認知機能が保たれている高齢者を評価対象とすることが可能な見通しがついたことは本研究の円滑な遂行に重要であると考えている。次年度以降は、すでに取り込み済みの対象への訪問調査を再開し、調査対象者を増やしてのマイクロRNAの解析を進める。
ただし、研究遂行上、症例数の確保が新型コロナウイルスの収束状況に左右される部分が大きいことは課題である。もし次年度中に研究対象者数を十分に確保できない見通しがある場合には、当該年度中に研究計画を変更する予定である。
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| Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の拡大により、訪問調査の件数が予定よりも少なく、得られた検体の数も少なかった。よって、PCR等の解析に関わる試薬の購入が少なかった。これらの試薬は次年度に購入して使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
