2022 Fiscal Year Research-status Report
筋毎の効率的な刺激タイミング調整が可能な歩行再建用電気刺激装置の開発
Project/Area Number |
20K19325
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
平賀 篤 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (80759902)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電気刺激 / 適応 / 効率化 / 運動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外部から筋ならびに支配神経に電気刺激を行い動作を改善させる機能的電気刺激(FES)機器に用いるための複数のトリガーについて、動作への汎用性を高める方法について検証を行う予定で進めていた。実験開始当初の予定より一部修正し、運動学習的な要素と歩行以外の動作再建を視野に入れた動作効率化を模索した。 2022年度は既に実用化されている足底後足部圧センサーを用いた機能的電気刺激を用い、どのような歩行形態の場合に適応外になるかを検証した。その結果、足関節背屈(腓骨筋・腓骨神経)をターゲットにした動作の場合、片麻痺や痙性麻痺を想定した歩行だけでなく、過度な変形性膝関節症を伴う場合などについても歩行の効率化が図れない可能性が示唆された。これは単純に歩行時に踵接地をするかどうかということだけでなく、足底接地後の重心移動の推移も大きく影響すると考えられる。また本来足関節背屈位で保持すべきタイミングは遊脚中期~立脚初期にかけてであるが、このタイミング以外で足関節背屈が誘導されることで逆に動作時の重心移動を阻害する可能性が高い。その結果、立脚後期~遊脚中期にかけて起こる底屈位→背屈位への切り替えに伴う前方推進や、立脚初期~中期にかけて起こる足関節を中心とした前方への回転運動が上手く起こらないための歩行効率の低下が見込まれた。 それに加え、2021年度に得られた短時間の電気刺激と自動運動の組み合わせが動作制御能力を向上させる可能性について、歩行でも同様に刺激効果が残存する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度中盤に実験代表者が怪我による入院・手術を余儀なくされ、現在も後遺症が残存した状態となっており実験自体が休止していることから予定より大きく遅れた進捗となっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度前半の実験結果を基に、具体的な疾患を想定して歩行時の踵骨部圧センサーの代わりとなる刺激トリガーを検証する。疾患毎に歩行パターンが大きく異なる事を考慮し、対応できる刺激トリガーは複数となるように準備する予定である。 また同時に刺激による短期的運動効率化がどの程度残存するかを明らかにし、刺激方法の有用性を確立したいと考えている。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により研究にかかる旅費や被験者への人件費の使用が予定よりも少ない結果となった。加えて2022年度後期の実験休止に伴い十分な実験遂行に至らなかったため、2023年度では実現可能な研究遂行を目指して予算執行を行う。
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