2021 Fiscal Year Research-status Report
心臓外科領域の周術期における吸気筋トレーニングの実施可能性を探る
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20K19326
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
西中川 剛 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (70771385)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓リハビリテーション / 吸気筋トレーニング / 呼吸筋トレーニング / 心臓血管外科 / 理学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心臓外科手術施行患者に対して吸気筋トレーニング(Inspiratory muscle training, IMT)を実施し、プログラム介入前後で術後呼吸器合併症発症率などのアウトカムを指標として有用性を検討する。さらに、IMTの安全に実施可能であるかを、IMT介入期間中の有害事象の発生率を調査するとともに、プログラムの実施状況(セッション数、完遂率、脱落の理由)についても検討することである。 まず、実施環境整備と実施体制が整い、入院前から退院までの評価は計画通りに実施できている。2021年度までに52例についてデータ収集を実施した。心臓外科手術施行患者に対する呼吸筋力の特徴や術後の影響などの検証は実施できている。概要として、心臓外科手術施行患者における術後呼吸器合併症は、術後における呼吸筋力改善や退院時の呼吸筋力低下に影響を及ぼす可能性が示唆された。また、術前握力と肺活量の低下が術後呼吸器合併症の発症に関係している可能性が示唆された。この研究成果について、論文執筆や国際学会においても報告している。さらに、2021年度の調査・介入において重大な有害事象は認められなかった。しかし、IMT介入率が51%となっており、IMT介入の実施については予定よりも遅れている。理由として、対象者のコンプライアンスだけでなく、介入するスタッフのコンプライアンスも要因の1つであることが挙げられた。そこで、介入プロトコルや介入実施体制の見直しを進めている。具体的には、入院前から呼吸筋力の評価とセルフトレーニングの実施を指導し、術後介入のコンプライアンスの改善を図っている。また、これまでの介入効果の検証は学会発表での公表に向けて現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、本調査としてIMTプログラムの有用性および安全性、実施状況を検証することを計画し、目標症例数を35例としていた。その結果、目標症例数は概ね確保できているものの、介入実施率が51%と不十分であった。それに伴い、プラセボ群の設定もできていなかった。これらについてプログラム実施体制の見直しを進めているが、さらにIMT実施におけるマニュアル整備の必要性などを認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、プログラムの介入実施体制の強化を図り、IMT介入実施率の改善を図るまた、プログラム実施率の詳細について、完遂率だけでなくセッション数や脱落理由などについて調査体制を構築していく。その上で、IMT実施においてコントロール群としてIMTプラセボ群を設定する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響を受け情報収集のための学会参加が中止となったことが次年度使用額の生じた主な理由である。次年度は予定している研究経費について、必要物品の価格高騰に伴う経費の追加とハード面における実施体制の強化を予定しており、そのための経費を次年度使用額の使用計画としている。
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Research Products
(3 results)