2021 Fiscal Year Research-status Report
クール・レジスタンス・運動が筋組織内酸素代謝に及ぼす影響と臨床への応用
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20K19329
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
後藤 昌弘 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (10449853)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 寒冷刺激 / 筋力増強 / レジスタンス運動 / 筋細胞内低酸素 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
レジスタンス運動を行う筋に対するコールドパックの急性効果(筋細胞内酸素代謝、表面筋電図筋活動量)を確認した。その結果、コールドパックによる寒冷刺激はレジスタンス運動時の筋細胞内酸素量を減少させ、また、表面筋電図筋活動量を増加させることが確認できた。今回は事前冷却ではなく、レジスタンス運動時にコールドパックを利用した。その結果、コールドパック利用群と非利用群間で、皮膚表面温度に有意な差な認められなかったが、運動直後深部温度については非利用群で有意に低下していた。この深部温度低下により 筋線維の粘弾性が増加し、レジスタンス運動時の表面筋電図筋活動量が増加したと思われる。筋活動量増加に伴い筋内血管が圧迫され、血流量が低下し、筋細胞内酸素量が低下したと考えられる。 また、コールドパック利用群とコールドパック非利用群で同じプロトコールのレジスタンス運動を8週間継続した時の長期効果(筋横断面積、筋力)を比較した。その結果、コールドパック群で有意な筋横断面積、等尺性収縮力、角速度120度収縮力増大効果が認められた。角速度200度運動については両群で8週間のレジスタンス運動継続による筋力増大効果は認められなかった。 これらの結果より、レジスタンス運動にコールドパックの寒冷刺激を利用することは、運動に伴って発生する筋温上昇を抑制することで筋細胞内酸素量低下、筋活動量増加をもたらし、結果的に筋横断面積及び等尺性収縮力増大が期待できることが確認できた。しかしながらこの結果はレジスタンス運動経験のある対象者に限った効果である可能性がある。次はレジスタンス運動経験のない中高齢者を対象に同研究を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コールドパックを利用した寒冷刺激がレジスタンス運動対象筋に与える急性効果については論文を発表することができた。しかしながら、長期効果については現在論文執筆中であり、2022年度内に投稿する。
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Strategy for Future Research Activity |
レジスタンス運動経験者でコールドパック寒冷刺激の急性および長期効果が確認できたため、2022年度内に中高齢者を対象とした研究を開始する。
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Causes of Carryover |
レジスタンス運動に使用する機器の納入が新型コロナ感染症拡大により2022年度になったため。
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Research Products
(2 results)