2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病由来のミトコンドリア機能障害に対する交流磁気刺激の予防効果
Project/Area Number |
20K19331
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Research Institution | Kobe International University |
Principal Investigator |
中西 亮介 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 講師 (60807238)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋 / ミトコンドリア / 脂質代謝 / 交流磁気刺激 / 肥満 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は糖尿病由来のミトコンドリア機能障害に対する交流磁気刺激の予防効果を明らかにすることである.2021年度は昨年度に確立した16週間高脂肪食(60%脂肪含有食)を与え作製する高血糖誘発モデルマウスに対して60Hz交流磁気刺激を行い,血糖値,血中脂肪酸値,Oil red O染色を用いた筋内脂肪量を解析した.さらに,脂質代謝(βhydroxyacyl CoA dehydrogenase)やそれに関与するタンパク質の発現をWestern Blotting法や免疫組織化学染色を用いて解析した(脂肪酸受容体CD-36,カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1).60Hz交流磁気刺激は血糖値,血中脂肪酸値,筋内脂肪量の増加を抑制することができた.また脂肪酸受容体CD-36の細胞膜周辺の発現量が著しく増加することから,膜移動を誘発したことが明らかになった.さらに,カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1のタンパク質発現量を増加させることが明らかになり,脂質をミトコンドリア内に取り込む機能も増加している可能性が示唆された.その上,コハク酸脱水素酵素活性やクエン酸合成酵素活性などミトコンドリア代謝活性に関与する因子も増加させることが明らかになった.これらのことから,高血糖誘発モデルマウスに対して60Hz交流磁気刺激の照射は脂質の取り込みを増加させるだけでなく,脂質代謝の増加を誘導することが明らかになった.これらの結果,筋内脂肪の蓄積を予防することができ,血糖値および血中脂肪酸値の増加を抑制することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年計画で実施される予定で,2021年度で2年目が終了した.2021年度はモデル動物の確立ができており介入実験も完了している.また,この介入実験で得られた筋サンプルを用いて解析が行えていることから当初の予定通り進捗していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
16週間の高脂肪食を摂取した高血糖誘発モデル動物に60hz交流磁気刺激を照射することで脂質代謝に関与する因子および血糖値の抑制が確認できた.より詳細なメカニズムを明らかにするために再度細胞を用いた介入実験を行い,ミトコンドリア膜電位の変化やそれに影響を与える因子の解明につとめる
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Causes of Carryover |
学会費用(旅費含む)として計上していたが,新型コロナウイルス感染症のため学会が急遽オンライン開催になったため.次年度の学会発表に用いる予定である.
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