2023 Fiscal Year Research-status Report
運動観察とミラーシステムへのtDCSの併用による上肢運動機能回復の促進
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20K19346
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
鈴木 栄三郎 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (20823298)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動観察 / ミラーニューロンシステム / tDCS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,他者の運動を観察する運動観察とその神経基盤の一つとされるミラーニューロンシステム(Mirror neuron system:MNS)への経頭蓋直流電気刺激 (Transcrania direct current stimulation:tDCS)の併用による脳卒中後の上肢機能回復の促進効果とその効果機序を明らかにすることを目的としている. 今年度は上肢運動機能を評価する運動課題として採用した手でのボール回転動作パフォーマンスの定量的評価手法を新たに確立した.一般的に,身体部位の動作分析には,光学式モーションキャプチャシステムが用いられ,高精度な計測手法が確立している.しかしながら,手の指といった小さな部位の動作の計測ではセンサマーカーがカメラの死角に入りやすいことから精緻な指の動きを連続的に高精度に計測することが難しい.また,光学式システムでは指に貼付したマーカー自体が指の動きや課題を阻害してしまう.一方,近年開発され普及しつつある慣性センサー(加速度センサー,ジャイロセンサー,地磁気センサー)は,小型であり,手袋内の各関節部位に直接埋め込まれ,指の動作や物品の操作も阻害せず,高精度に連続的な計測が可能である.この手袋型の慣性センサーシステムによりボール回転動作中の各指の動きの3軸方向の加速度データを取得して躍度(ジャークコスト)を算出し,動きの滑らかさの定量的指標となり得ることを確認した.この評価システムの導入により,ボールの回転数のみならず,指の動きの滑らかさに関するパフォーマンス変化を明らかにすることができると考えている. 今後は,MNSへのtDCSによる神経修飾と運動観察を併用した介入を行い,その効果をMNSの活動性および手指運動能力の変化から検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の影響による研究計画の全般的な見直しが必要となり計画が遅れていることに加えて,tDCS刺激条件や運動観察介入条件,データ計測における条件設定の検証に時間を要した. その他,学内の教育業務や社会活動の増加により一時的なエフォートの低下を来した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの活動により,介入やデータ計測における各種条件設定の見直しやシステムの構築は概ね完了し,研究環境は整った.今後は感染対策に留意しつつ,健常成人を対象に,計画的にデータ計測を進める.
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Causes of Carryover |
評価指標を見直しのために予定していたデータ計測を中止したため、関連する物品費、謝礼、消耗品、論文投稿関連費用等の予算が残り、次年度使用額として生じた。今後は健常者を対象としたデータ計測を実施し、物品費、謝礼、論文投稿関連費用として使用する予定である。
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