2020 Fiscal Year Research-status Report
早期変形性膝関節症の新規抽出アプローチの開発-関節加速度を用いて-
Project/Area Number |
20K19356
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鈴木 祐介 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70845669)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 筋力 / 筋力発揮率 / 加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期膝OA の抽出には筋力発揮率の測定が有効だと考えられるが,膝の運動特性や携帯性の観点から,地域での運用に課題が認められた。そこで本研究課題は,瞬発的な筋力発揮の指標である筋力発揮率に膝の運動特性の把握と携帯性を付加させた関節加速度を開発することで,早期膝OAが潜在する地域での運用が困難であるという筋力発揮率の欠点を補いつつ,より鋭敏に早期膝OAを抽出できるかを検証することを目的としている。2020年度は健常若年者10名を対象に関節加速度の予備実験を実施したが,測定時に得られる波形データのノイズが大きい点,当初の測定条件では早期膝OA患者を対象とした場合,瞬発的な膝伸展運動時に膝痛を生じる可能性がある点から,関節加速度の実用性は検証しきれなかった。一方で,BIODEXによる筋力発揮率の測定と同時に,予備的に携帯型徒手筋力測定器でも筋力発揮率を測定し,携帯型徒手筋力測定器でも筋力発揮率が測定可能であることを確認した。今後は関節加速度の波形データのノイズを除去する方法,瞬発的な膝伸展運動時に膝痛を生じた場合の対応を検討し(測定条件の調整や膝痛を考慮した解析方法の検討),引き続き関節加速度の実用性を検証していく。さらに,関節加速度の実用性に不安が残った場合の代替手段として,早期膝OA患者を対象とした携帯型徒手筋力測定器による筋力発揮率の測定,筋力発揮率と早期膝OAとの関係性の検証も視野に入れながら,BIODEXによる測定結果との妥当性検証も同時に進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の計画では健常若年者20名を対象に,関節加速度の実用性をBIODEXと比較・検証する予定であった。しかしながら,10名を対象とした予備的実験で関節加速度の実用性が検証しきれなかったため,現在までの進捗状況は「遅れている」の区分に相当すると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度は引き続き関節加速度の実用性の検証を継続しながら,代替手段に関しても妥当性を検証していく。今後の状況に応じてフレキシブルに測定内容を変更し,より鋭敏に早期膝OAを抽出できる指標の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度に当初予定していた関節加速度の実用性が予備実験で検証しきれず,本実験に進むことが出来なかったため,物品費や人件費で助成金に次年度使用額が生じた。翌年度は引き続き関節加速度の実用性の検証を進め,もし実用性に不安が残った場合の代替手段も検討し,次年度使用額と合わせて助成金を活用していく。
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