2020 Fiscal Year Research-status Report
運動療法の効果をメカニカルストレスで再現することによる変形性関節症の分子病態解明
Project/Area Number |
20K19367
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
崎谷 直義 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 流動研究員 (30824859)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 運動療法 / 物理的刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における罹患者が1000万人にのぼる変形性膝関節症は、歩行などの日常動作における支障となり、身体不活動による二次障害を介して更なる身体機能低下を来し、要介護の原因となり得る。世界に類をみない速度で高齢化が進み、健康寿命の延伸が喫緊の課題となっている我が国において、有効で安全・安価な変形性膝関節症の予防・治療法の開発がもたらす益は極めて大きい。変形性膝関節症に対する運動療法は、非ステロイド性抗炎症薬や軟骨保護に作用するヒアルロン酸といった薬物と同じく高い鎮痛効果を発揮する一方で安全で安価であり、治療の第一選択となる。しかしながら、運動による変形性膝関節症の疼痛緩和効果の分子機序には未解明であり、病態そのものを修飾するのか、あるいは病態修飾以外の機序による鎮痛によるものかも明らかではない。変形性膝関節症に対する代表的・典型的な運動療法である大腿四頭筋等尺性収縮訓練は、筋力増強に伴う膝関節の安定化という生体力学的環境の改善によって膝への負担が減り、痛みが軽減することが想定されてきた。しかし、大腿四頭筋等尺性収縮訓練による変形性膝関節症の疼痛軽減は筋力増大を介さないという報告があり、その効果は筋力増強では説明できず、訓練または運動の動作そのものに意味があることが示唆される。本研究では、大腿四頭筋等尺性周sy区訓練時には組織・細胞には物理的力刺激が加わることに着目し、変形性膝関節症に対する運動効果の背景にある分子メカニズムを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、変形性膝関節症の病態を再現する実験動物モデルの選定と介入法の確立を行った。老化促進モデルマウスにおいて、関節内への炎症性細胞の浸潤および関節軟骨変性が生じることを確認した。また、変形性膝関節症に対する代表的な運動療法である大腿四頭筋等尺性収縮訓練による関節内圧の変化を模した局所的物理的刺激機器を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、選定した変形性膝関節症モデルマウスに対して、局所的物理的刺激機器による介入を行い、抗炎症効果および変形性膝関節症に対する予防効果を検証する。局所的物理的刺激機器による介入で効果がみられたリードアウトをもとに、介入の至適条件を探索する。その条件下で、局所的物理的刺激機器による介入の作用点となる細胞種を同定・培養し、in vitro 物理的刺激実験を行い、炎症関連シグナル分子およぼ物理的刺激応答シグナル分子の変化を観察する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行に伴い、予定していた実験を次年度以降に実施することにした。また参加を予定していた学術大会の開催が延期もしくは中止になった。
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