2022 Fiscal Year Research-status Report
運動負荷時の血圧上昇神経機構におけるグリア細胞の役割
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20K19368
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Research Institution | National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
吉沢 雅史 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 電気生理学研究室, 共同研究員 (40836277)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中枢性血圧調節 / グリア細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動時の血圧調整機構にグリア細胞とニューロンとが相互に興奮性に関連し、交感神経を介して中枢性に血圧上昇を惹起するという仮説の証明のため、昨年度と同様マイクログリアと交感神経との関係についての考察を行った。 Wistar ratに血圧測定用のテレメータ(Kaha Science社製)の植え込みを行い無麻酔・非拘束下での血圧・脈拍数の測定を可能とした。4-5分の急性低酸素状態(FiO2 13%, 7%)および急性Air jet stress下において生じる交感神経興奮に対してマイクログリアを選択的に抑制することが知られているMinocyclineの前投与を行い、投与の有無に血圧・脈拍数の変化に加えて、1回換気量、呼吸数、分時換気量などのパラメータについてもプレチスモグラフィーを用いて行った。急性低酸素状態における結果については、The Journal of Physiological Sciences誌に論文投稿を行い、2022年10月に掲載された(Yoshizawa M, Okada T et al. Role of microglia in blood pressure and respiratory responses to acute hypoxic exposure in rats. J Physiol Sci. 2022)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初マイクログリアの抑制状態であることを交感神経中枢である視床下部室傍核、背内側視床下部、延髄副外側野などの組織切片を作成し、c-fosやマイクログリアの活性化を示すIba-1の発現、マイクログリアの形態観察を行うことを予定していたが、十分なデータが得られていない。またトレッドミル運動負荷による血圧・脈拍数の上昇とマイクログリアの関連についても新型コロナウイルス感染症蔓延に伴う行動制限のため実現に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度に実施できなかった組織学的な検討を行う。Air jet stressおよび低酸素負荷を行ったラット(Wistarラット, 自然発生高血圧ラット)の交感神経中枢である視床下部室傍核、背内側視床下部(DMH)、延髄副外側野(RVLM)のc-fos, IBA-1の発現、マイクログリアの形態観察を行う。また、トレッドミル運動負荷による血圧・脈拍数の上昇がマイクログリアの抑制によりどのように変化するかをminocyclineの前投薬の有無で評価を行う。
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Causes of Carryover |
もともと本実験のために必要な器具は施設内にそろっているが、血圧測定用の送信機故障に伴う追加購入費を少なくすることができたことや、学会参加がオンラインとなり旅費などの費用が発生しなくなったため次年度使用額が発生した。血圧測定用テレメータの購入、組織学的な実験のための試薬購入、追加実験のためのrat(Wistar rat, 自然発生高血圧ラット)購入費用としての予算を計上する。また、学会もオンサイトでの学会参加が可能となってきており、学会参加費としての予算も計上する。
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