2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症者の屋内・屋外環境下での膝関節にかかる負荷の相違
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20K19372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢口 春木 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (10750060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウェアラブルセンサ / 変形性膝関節症 / 屋外階段昇降 / バイオメトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、独自に開発したウェアラブル型動作解析システムを用いて、健常者の屋外での長距離階段昇降を行った。今までの階段昇降の動作解析の先行研究は、屋内かつ3-16段までの短距離のもののみである。日常生活、例えば公共施設や駅構内での階段は、20段以上であることが多いことから、段数が多いことによる疲労や関節負荷について、今までの先行研究での報告で得られた知見と異なる可能性がある。今回測定実施した環境は、屋外にある連続する66段の階段とした。解析区間は、昇段のみとして、昇段初期と後期での時空間パラメータや運動学的パラメータ、運動力学パラメータを統計学的に解析をした。今回使用したウェアラブル型動作解析システムにより、屋外かつ長距離階段昇段の動作解析が可能であった。主な結果は、運動学的パラメータでは、長距離階段の昇段初期と比べて、昇段後期では、足関節の背屈角度が有意に大きくなった。また、運動力学的パラメータでは、昇段初期と後期では、各下肢関節では有意な変化はみられなかった。さらに、階段歩行速度は、昇段初期と後期では、有意な変化はみられなかった。運動学的パラメータで昇段初期と後期で有意な変化がみられたことは、長距離昇段に伴う疲労により、身体重心の前方移動を足関節背屈角度の増加により代償していたことが考えられた。運動力学的パラメータや階段歩行速度に有意な変化が見られなかったことは、健常者では66段の階段昇段ではこれらパラメータが変化せずに追行可能であったことが考えられた。来年度は、変形性膝関節症者を対象に病院内外での環境での測定を行い、データを解析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウェアラブル型動作解析の測定環境は整っているが、セットアップ方法が煩雑であったため、円滑な測定を行うことが困難であった。そのため、セットアップの方法を見直し、新たな方法にて、測定することが可能になった。 適格基準に沿った変形性膝関節症のリクルートが円滑に進まなかったため、取り組み基準を新たに設定し、リクルートを進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
測定に合わせて、解析作業を進め、半期までには測定と解析作業が終了できるように進める。解析結果に影響を与えると思われる変形性膝関節症の重症度については、リクルート状況に合わせて、適時調整をしていく。 また、解析作業を円滑に進めるために、新たなプログラムを組み、解析が滞りなく進められるに行う。
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Causes of Carryover |
研究参加者への謝金やデータ解析、投稿論文費用などを計上していないため、次年度使用額が生じている。 今年度半期までには最終的な必要物品を購入し、論文投稿も進める。
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