2022 Fiscal Year Research-status Report
下腿三頭筋への神経筋電気刺激療法を用いた透析中の受動トレーニングプログラムの確立
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20K19384
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
積山 和加子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (20613011)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎臓リハビリテーション / 神経筋電気刺激 / 血液透析 / 慢性腎臓病 / 物理療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
透析患者への運動療法について透析時間を活用した方法が有効であるとの報告が数多く見受けられるが,現行の診療報酬制度において透析患者は疾患別リハ料の算定対象外である。さらに,平成31年度からは要介護被保険者等に対する外来での維持期リハ料の廃止に伴い,高齢透析患者に対する外来リハの提供が益々難しくなっている。近年,透析中の運動療法の代替手段として,神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation:NMES)が注目されている。そこで,本研究では,透析中に下腿筋に対してNMESを行い,その効果を運動機能や透析効率等の面から検証することを目的としている。 今年度については透析中のNMESトレーニングの継続が対象者の運動機能に与える影響について検討を行った。対象者は外来維持透析患者で独歩または歩行補助具を使用して10m歩行が可能な者とした。対象者には本研究の目的について説明して書面にて同意を得た。透析中に下腿筋にNMESを40分間行うNMES40群と透析中にエルゴメーター等を実施する運動療法群とした。NMESと運動療法は透析開始から1時間以上経過し,循環動態が安定していることを確認してから実施した。NMESの刺激強度は各対象者の耐えうる最大強度として実施した。運動機能評価として,筋力(膝伸展筋力,足関節底背屈筋力,足趾筋力),歩行評価(10m歩行時間),バランス能力評価(Functional Reach,Timed up and go test,片脚立位保持時間),重心動揺・足底圧計測等を実施した。介入期間は6ヶ月とし,Baseline時に比べ介入後において各評価項目の改善が認められるかについて,現在対象者数を追加して検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度も新型コロナウイルス感染拡大の影響で,対象者への介入が一時中断したことや対象者の追加が遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を行った上で引き続き対象者を募り,透析中の下腿筋へのNMESトレーニングの継続が運動機能に与える影響について解析を進めて検討を行いたい。ただし,対象者の安全性確保が最優先であるため,新型コロナウイルス感染状況によっては感染リスクの高い対象者への介入の一時中止も検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
今年度割り当てた研究費を次年度以降に繰り越す理由として,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から対象者への介入が一時中断したことや対象者の追加が遅れる結果となったためである。現在感染予防に努めながら,対象者を増やして介入を実施しているところである。
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