2023 Fiscal Year Annual Research Report
下腿三頭筋への神経筋電気刺激療法を用いた透析中の受動トレーニングプログラムの確立
Project/Area Number |
20K19384
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
積山 和加子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (20613011)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腎臓リハビリテーション / 神経筋電気刺激 / 血液透析 / 慢性腎臓病 / 物理療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、透析中に下腿筋に対して神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation:NMES)を行い、その効果を運動機能や透析効率等の面から検証した。 2023年度については透析中のNMESトレーニングの継続が対象者の運動機能に与える影響について検討を行った。対象者は外来維持透析患者で独歩または歩行補助具を使用して10m歩行が可能な者とした。透析中に下腿筋にNMESを40分間行い、NMESは透析開始から1時間以上経過し、循環動態が安定していることを確認してから実施した。NMESの刺激強度は各対象者の耐えうる最大強度として実施した。運動機能評価として、膝伸展筋力,足関節底背屈筋力,足趾筋力,10m歩行時間,バランス能Functional Reach,Timed up and go test,片脚立位保持時間等を実施した。介入期間は6ヶ月とし,Baseline時に比べ介入後において各評価項目の改善が認められるかについて検討を行った。6ヶ月間の介入が遂行できたのは5名(男性3名、女性2名、80.6±1.9歳)で、介入期間中全ての症例において有害事象は認めず安全に実施できた。また、運動機能評価についてBaseline時と6ヶ月後を比較したところ、各測定項目においていずれも有意な変化は認めなかった。本研究において症例数の確保が課題となっていたが、研究開始時点から新型コロナウイルス感染拡大および感染予防対策で介入の一時中断等があり、6ヶ月間の介入が遂行できた者が5名と少なく、本研究目的における十分な検証ができたとは言い難い。本研究助成内での検証できなかった点については、症例数を増やすことや介入期間などを再検討し、効果的な透析中のNMESの実施方法についてさらなる検証を進めていく必要がある。
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