2020 Fiscal Year Research-status Report
膝前十字靭帯再建術後の最適な運動の開始時期と量の検討:関節拘縮と筋萎縮に着目して
Project/Area Number |
20K19400
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
金口 瑛典 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (10826704)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前十字靭帯損傷 / 前十字靭帯再建 / 関節固定 / 運動 / 関節拘縮 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膝前十字靭帯再建後の関節拘縮と筋萎縮を予防・改善するために、1)どの時期から運動を開始すれば良いか、2)どの程度運動を行えば良いかを明らかにすることを目的とした。 ラットの膝関節に前十字靭帯切断および再建術を行い、術後は関節運動量を制御するために、関節固定(関節運動:なし)、通常飼育(関節運動:少)もしくは低速でのトレッドミル運動(60分/日、関節運動:多)のいずれかを行った。また、適切な運動開始時期を明らかにするために、術後2週関節を固定してその後自由飼育する群と、術後2週は自由飼育を行いその後トレッドミル運動を開始する群を設けた。術後2もしくは4週で膝関節伸展可動域を測定し、関節拘縮を評価した。また、後肢筋の湿重量を測定することで、筋萎縮を評価した。 前十字靭帯再建後、自由飼育を行うと2週までに関節拘縮が生じ、4週まで持続した。この関節拘縮は、関節固定により悪化した。2週の関節固定の悪影響は、その後の2週の自由飼育では打ち消すことができなかった。トレッドミル運動は、術後2週までに行うと関節拘縮を悪化させた一方で、術後2-4週では関節拘縮を部分的に改善した。 前十字靭帯再建後、自由飼育を行うと2週までに大腿直筋および腓腹筋の筋湿重量が減少し、4週までに正常に近いレベルに回復した。関節固定は2週では筋の重量にほとんど悪影響を及ぼさなかったが、4週行うと筋の重量を減少させる傾向にあった。トレッドミル運動は、術後2週までに行うと筋の重量をさらに減少させる傾向にあったが、この悪影響は4週の時点では消失した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は採取した試料を使用し、組織学的解析と遺伝子発現の解析を行う予定である。また、得られた研究成果を学会や論文で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で参加を予定していた学会に参加できなかったため、次年度使用額が発生した。研究成果の発表(学会参加や論文投稿)にかかる費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)