2022 Fiscal Year Research-status Report
遷延性意識障害の潜在的残存機能評価に基づくリハビリテーション手法の開発
Project/Area Number |
20K19404
|
Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
高村 優作 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究員 (20846175)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 遷延性意識障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷延性意識障害(PVS)は、頭部外傷や脳卒中後などに視覚・聴覚・触覚や侵襲刺激に対して持続的かつ再現可能性のある意図的/自発的な行動応答が、持続的にも見られない状態として定義される。PVSと何らかの意思表示や刺激への応答が確認できる最小意識状態(MCS)の判断や、改善の予測は難しいことが知られる。 本研究では、PVS症例の潜在的残存機能の適切な把握のための評価手法として、視線計測システムの開発と活用を試みる。また、開発したシステムの現場実装とあわせて、脳波やMRIによる残存する神経ネットワーク同定を行った上で、PVS症例への有効なリハビリテーション手法の確立を目指す。 本年度においては、視線計測手法の確立を行うために、健常者を対象として開発手法および眼球運動の解析手法の評価を行った。具体的には、頭頚部や姿勢に依存せず計測可能な手法を検討した。その結果、健常者であっても、同手法において自己関連画像では眼球運動の特性が異なることが明らかとなった。また、経頭蓋直流電気刺激によって意識障害者の状態に変化が生じるのか、行動上及び脳波による脳内コネクティビティの観点から検討を行った。その結果、意識障害者に重要な領域とされる、内側正中領域のコネクティビティ増加が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19により、全体的な重症度が高い遷延性意識障害を持つ患者を対象とした、評価の機会が制限されているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるので、これまでに開発した手法をより多くの意識障害を伴う対象者を基に評価する必要がある。また、今年度までに得られた成果については、次年度にて国際学会発表を行う予定である。合わせて、論文執筆を進めていく。
|
Causes of Carryover |
COVID-19による学会参加や外部機関での計測の機会が少なくなったため。翌年度は国際学会や外部機関での計測、論文執筆が概ね戻ることが予測され既に複数の学会参加を予定してる。
|