2020 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺患者の不整地歩行時の安定性制御様式と転倒リスク及び身体活動量の関係
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20K19407
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
本田 啓太 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (30823314)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 脳卒中 / 歩行 / 転倒 / バイオメカニクス / 角運動量 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中片麻痺患者の歩行自立は健康寿命延長や家族の身体的及び精神的負担を軽減するために重要である。地域在住者が制限なく歩行するためには、平地が中心となる屋内だけでなく、芝生や砂利道などの屋外でも自立した動作を獲得する必要がある。現在まで多くの動作解析研究により平地歩行時の脳卒中片麻痺患者の歩行特性は明らかにされてきたが、不整地歩行時の特性は不明な点が多い。また、動作解析研究により得られた脳卒中片麻痺患者の歩行データと実環境での活動量及び転倒リスクとの関連を示した研究も極めて少ない。
本研究の目的は地域在住の脳卒中片麻痺患者の平地及び不整地歩行時の動的不安定性の特性を明らかにし、さらにその動的不安定性の特性と転倒歴及び身体活動量の関係を明らかにすることである。令和2年度には計測環境の設定とデータ計測を行った。本計測では平地を歩行する平地歩行条件、人工芝の上を歩く人工芝条件、及び弾性マットレスの上を歩く不整地条件の3つの条件を採用した。脳性麻痺患者の不整地歩行研究でよく用いられるTerrasensaの使用も試みたが、足部内反捻挫の危険性を危惧し、採用しなかった。データ計測では地域在住の脳卒中片麻痺患者16名、健常高齢者12名、及び健常若年者10名を対象として、実験室内での平地及び不整地歩行の計測と転倒歴及び1日の平均歩数の調査を行った。
さらに、令和2年度以前に計測した脳卒中片麻痺患者16名の平地歩行データと転倒歴の関係を分析し、国内学会で報告を行った。転倒経験のある脳卒中片麻痺患者は歩行時に前額面上の動的不安定性を有し、さらに、非麻痺側への骨盤側屈と非麻痺側への骨盤及び体幹回旋が低下していた。今後は、平地歩行での知見をもとに、不整地歩行時の脳卒中片麻痺患者の歩行特性と実環境での歩行能力の関係を調べることができる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定していたデータ計測は順調に進んでおり、令和3年度に予定していたデータ解析に取り掛かる準備が整っている。また、転倒歴の有無による平地歩行時の全身の角運動量制御の相違について国内学会で発表した。さらに、脳卒中片麻痺患者における歩行時の全身の角運動量制御と歩行速度の関係を調べた結果を論文にまとめ、国際学会誌に投稿した。以上のことより、本研究で使用する解析プログラムの準備も進んでおり、令和3年度のデータ解析を予定通りに行うことができる。
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| Strategy for Future Research Activity |
各研究参加者について、平地、人工芝、及び不整地条件時の歩行動作から全身の角運動量を算出し、動的不安定性を定量化する。まず、脳卒中片麻痺患者、健常高齢者、及び健常若年者の模擬屋外歩行時の動的不安定性の特性を明らかにするために、群間比較を行う。次に、転倒歴と模擬屋外歩行時の動的不安定性の関係を明らかにするために、転倒歴のある脳卒中片麻痺患者とない患者の歩行動作の群間比較を行う。さらに、身体活動量と模擬屋外歩行時の動的不安定性の関係を明らかにするために、1日あたりの平均歩数と歩行データの相関分析を行う。
各検定について、事後の検定力分析を行い、被験者数が不足する場合には追加計測を検討する。
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| Causes of Carryover |
学会がオンライン開催となり、旅費の支出が不要となり次年度使用額が生じた。令和3年度には、学会での成果報告と論文執筆作業のために使用することを計画している。また、データ解析後に追加計測が必要な場合にも使用する。
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