2022 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症の重症度や症状に伴う運動学的変化:新手法による筋動態の評価
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20K19411
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山縣 桃子 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (50848223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 歩行 / 関節負荷 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、関節構造変化の少ない超早期から重度の変形性膝関節症(膝OA)患者を対象に、OAの発症や進行に関与する筋・関節動態の特徴を明らかにすることとした。 膝OA患者と診断された患者を対象に、歩行中の運動学・運動力学データを三次元動作解析装置と床反力計によって計測した。さらに、膝関節に疼痛のない高齢者を、MRI画像上の軟骨変性を認めない健常高齢者と、MRI画像上での軟骨変性を認める超早期膝OA患者に分け、同様に歩行計測を実施した。対象者の筋・関節動態を定量化するために、AnyBody Modeling Systemを用いて各対象者の筋骨格モデルを作成し、筋活動パターンと内側コンパートメントにかかる圧縮力(KCFmed)をそれぞれ推定した。さらに、これまで膝関節の力学的負荷の評価に用いられてきた外部膝関節内反モーメント(KAM)も併せて評価し、膝OAの発症や進行を反映するより良い指標の抽出を試みた。どのような筋・関節動態の特徴が膝OAの進行に関与するかを調査するため、膝OA患者の筋活動パターンと力学的指標(KCFmedとKAM)が将来の手術既往に関与するかを調査した。 その結果、立脚期前半や後半に認められるKCFmedとKAMのピークが将来のOA進行に関与する可能性が明らかになった。さらにMRIから算出された軟骨変性の指標が、歩行中の関節負荷の指標と関連する可能性も示唆された。現在は、膝OAの発症や早期発見に関与する要因を特定するため、健常高齢者と超早期膝OA患者のデータ計測やデータ解析をさらに進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変形性膝関節症患者や健常高齢者のMRI画像の撮像は実施できたものの、当初の予定通りにデータ計測を行うことができず、MRI画像の解析結果を十分に抽出しまとめることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は追加のデータ計測を実施し、膝OA発症に関与する筋・関節要因を特定する予定である。さらに、撮像したMRI画像の解析を進め、膝関節の軟骨変性を早期に検出する指標を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で、学術集会やデータ計測にかかるの費用が計画通りとならなかったため、次年度使用額が生じた。翌年度は追加のデータ計測を中心とした費用に使用する予定である。
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