2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌患者のEMSを用いた新しい周術期リハビリテーションプログラムの開発
Project/Area Number |
20K19413
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中島 勇樹 広島大学, 病院(医), 理学療法士 (70741289)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / リハビリテーション / 運動機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、膵癌手術を受ける患者に対する効果的なリハビリテーションを提供するために、2つの研究AとBで構成しました。 研究Aでは、膵癌患者の運動機能と生活の質(QOL)の関係に焦点を当てました。手術後には握力、下肢筋力(膝伸展筋力)、歩行速度(6分間歩行距離)などの運動機能が低下する傾向があり、QOLも手術後早期に低下することが示されました。さらに、6分間歩行距離より算出された歩行速度の低下がQOLの低下と関連していることが示唆され、運動機能の維持が重要であることが強調されました。また、膵癌患者では、下肢筋力の指標としてしばしば用いられる立ち上がり能力と6分間歩行距離と関連しており、6分間歩行距離を測定しなくても、5回立ち上がりテストを用いることで6分間歩行距離の低下を推察できる可能性を示した。これは臨床において簡便な評価方法であり、5回立ち上がりテストが臨床的に有効である可能性を示した。 研究Bでは、周術期に使用される電気筋刺激(EMS)の効果を検証しました。胸腹部手術後のEMSの運動機能への影響について系統的なレビュー、メタ解析を行い、膵臓癌に関連した介入についての報告がまだないこと、術後下肢筋力の改善にEMSが有効である可能性を明らかにしました。また、研究Aの結果から通常リハでは膵癌術後には歩行速度の低下を認めましたが、EMSを用いることで歩行速度の維持につながる可能性が示されました。
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