2020 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニア嚥下障害のメカニズム解明と筋萎縮予防薬の有効性の検討
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20K19414
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
勢井 洋史 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (40601034)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアの嚥下機能低下様式の解明(特に筋萎縮分子機構の解明)及び筋萎縮予防薬の効果検証をテーマとした。サルコペニアは、加齢による狭義の原発性サルコペニアと、寝たきりなどの活動に関するもの、栄養不足に伴う飢餓状態で栄養に関するもの、手術や熱傷、感染症等の侵襲や慢性疾患等による悪液質などの疾患によるものなどの広義の二次性サルコペニアに分けられる。近年、酸化ストレスマーカーであるスーパーオキシドディスムターゼ(Cu/Zn-superoxide dismutase:SOD-1)と血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial grouth factore: VEGF)が廃用性筋萎縮に伴い発現量が減少するとの報告が散見される。また抗酸化物質の中でカルテノイド色素の一種であるアスタキサンチンは、強力な抗酸化作用があり、整形外科領域における研究にて非荷重で生じる骨格筋におけるSOD-1の増加に対し、ビタミンEやエストロジェンなどの抗酸化物質が、SOD-1の増加を抑制し酸化ストレスを軽減するとの報告がある。今回、ラット成熟群およびラット加齢群を対象として舌筋・下咽頭収縮筋・内外喉頭筋で酸化ストレスマーカーをそれぞれ測定し、加齢や廃用による筋萎縮の動態を解明し、抗酸化物質による筋萎縮予防効果を検証する。具体的には筋における酸化ストレスマーカー(SOD-1、VEGF、β-actin)の発現量の測定と定量評価を、ウェスタンブロット法を用いて行うこととした。令和2年度は成熟群ラットにおける実験を行う予定としていたが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、一時期実験の停止を余儀なくされた。その後、感染状況に応じて研究を再開、断続的ではあるがデータを収集することが出来た。現在、収集したデータを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大に伴い一定期間、実験停止措置を取ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は既に飼育している高齢ラットモデル及びアスタキサンチン投与高齢ラットモデルでの分子生物学的検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究試薬の購入、及び論文投稿費、英文校正費として次年度使用額を見込んでいる
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