2022 Fiscal Year Research-status Report
関節拘縮予防を目的とした効果的な微弱電流療法の刺激条件に関する検討
Project/Area Number |
20K19420
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
佐藤 勇太 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (30819313)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節拘縮 / 関節固定 / 電気刺激 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節拘縮は,関節固定によって生じる廃用症候群の一つであり,関節の可動範囲が減少した状態である.関節拘縮が発生した場合,日常生活に支障をきたす.またその発生過程において関節固定に下肢の非荷重が伴うと,関節拘縮は増悪する.一度関節拘縮が生じた場合,回復しにくくなるため,予防や治療は重要といえる.これまでの研究において,我々は下肢の非荷重を伴って生じる関節拘縮の予防には,電気刺激による強制的な筋収縮が有効であることを明らかにし,より効果的な電気刺激条件がどのような条件かということを検討してきた.しかし一方で,電気刺激による強制的な筋収縮が過度の筋疲労を起こし,その後のリハビリなどに悪影響を生じる可能性も否定できない.そこで筋収縮を生じない程度の微弱電流療法に着目し,微弱電流療法が下肢の非荷重を伴って生じる関節拘縮に与える影響を検討することとした.本研究を通して,関節拘縮の治療に要する時間が短縮化するとともに患者の健康寿命の延伸,医療費削減に貢献することにつながる可能性があると推測される. 2022年度は,刺激時間および刺激周波数に着目して研究を行い,関節の可動範囲や骨格筋の伸張性などを評価した.その結果,刺激時間に関する検討においては,長時間の刺激になるとかえって関節拘縮の予防に悪影響をおよぼす可能性があることが示唆された.また刺激周波数の検討は,現在進行中であり,今のところ悪影響などの所見は見られていない.これらの結果をもとに2023年度には,刺激周波数の検討を進めるとともに,組織学的な解析などの詳細評価にも取り組んでいく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度には,前年度までの遅れを取り戻せるよう年度計画を立て,実験を進行した.その結果,概ね順調に研究を進めることができ,遅れを概ね取り戻せたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度実施した分の実験において,微弱電流療法は,関節拘縮の予防効果を有するとともに,条件によっては悪影響を生じる可能性があることが示唆された.以上を踏まえ,効果的な刺激条件を検討するために継続して実験を実施していく予定である.また関節の可動範囲や骨格筋の伸張性のみならず組織学的な解析なども実施していく予定としている.
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