2020 Fiscal Year Research-status Report
運動学習時の脳周波数モデルの解明と新規ニューロモジュレーション介入戦略の構築
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20K19423
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 裕幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (70837351)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 運動学習 / ニューロモジュレーション / 経頭蓋電気刺激 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、脳卒中後の片麻痺者に対するリハビリテーションと多くの類似点を有する運動学習と、脳の神経活動への修飾作用を有するニューロモジュレーション手法(特に経頭蓋電気刺激)に着目した。 運動学習時に脳の運動に関連する領域のみならず、複数の領域の活動が観察されるが、習熟過程における脳活動の経時的変化は不明な点が多く、経頭蓋電気刺激の最適な介入方法は同定されていない。そこで本研究は、運動学習の段階に応じた脳活動の特徴を理解するために、脳波を用い、周波数の特徴を探索し、その特徴に基づく、経頭蓋電気刺激による介入方略を構築することを目的としている。 令和2年度は、健常者の手の巧緻動作の運動学習に伴う、脳波活動の特徴の探索を試みた。具体的には、参加者は、非利き手での掌上で2つの球を回転させる球回し課題を合計20分間実施し、その間の脳波を計測した。運動学習中の特徴的な成分の抽出と、学習過程における脳波の周波数帯の比較を実施した。結果として、運動学習中の特徴的な成分は、運動学習の各段階において、差は認められず、類似性を有した神経活動が生じていることが示された。 一方、現解析手法では、習熟度の個人差を考慮できていないため、令和3年度は、行動学的データ(球回しの回数と筋電図データ)を基にした、個人間の習熟度を考慮した解析にて、脳活動の特徴を抽出する。さらに、経頭蓋電気刺激による最適な刺激位置と周波数帯を同定し、介入効果の検証を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セットアップに時間を要したが、実験開始後はデータ取得と解析をスムーズに遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
運動学習の効果を高める経頭蓋電気刺激の方法を確立するために、以下の実験を進める。 1. 行動学的データを基に、運動学習の習熟度の個人差を考慮した脳波の解析を行う。 2. 健常者の運動学習に対し、1によって導き出された経頭蓋電気刺激による介入を行い、有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
研究遂行にあたって、経頭蓋電気刺激装置の購入時期を令和3年度に変更したため、次年度使用額が生じた。
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